内容説明
別の世界である『異郷』からやってきた少女・一妃。床辻の土地神としての権能を引継ぎ、東の地柱となった少年・蒼汰。そして『血汐事件』の影響により、首だけになって生きる蒼汰の妹・花乃。奇妙な関係でありながらも、三人は家族として新しい生活を歩み出していた。
そんなある日、床辻の怪異を管轄する『監徒』の手引きで、蒼汰の転校が決定。そこには北の地柱・墨染雨が待っていた。土地神の先輩である彼女から忠言を受けながらも、床辻の守り手として蒼汰は着実に成長していく。
だが、異郷からの浸食現象【白線】が日に日に勢いを増す中、『血汐事件』で消えたはずの少女が現れ――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
31
紆余曲折の末に床辻の土地神としての権能を引継ぎ、東の地柱となった蒼汰。そんなある日、床辻の怪異を管轄する『監徒』の手引きで、蒼汰の転校が決定する第二弾。転校した監徒の縁者も多い北の高校で待っていた北の地柱・墨染雨。彼女とも助言を得られるような関係になりつつある一方、異郷からの白線が日に日に勢いを増す状況で発見された『血汐事件』で消えたはずの少女。墨染雨と記憶を失った少女の過去も明らかになる中で、やっぱりそうなっちゃいますよね…という展開ではありしたけど、その結末はなるほどなと思いつつも少し驚かされました。2024/01/10
わたー
24
★★★★★これはあまりにも人の心がない……でも話はクッソ面白いんだよ流石、古宮先生。マジ勘弁してくれ。1巻の騒動を経て床辻の土着神の力を得て、半分だけ地柱となった主人公だったが、妹をもとの身体に戻すために怪異を木刀でしばき倒す生活を続けていた。そんないつも通り(?)の生活をしているなか、一妃の姉による策が着々と進行していて…という2巻。超越者であることで理解が及ばないところもあれど、家族として愛情を注いでくれることはわかる。だから自分も彼女を受け入れ、長くなった寿命を彼女と共にあらんとする。2024/01/15
碧海いお
12
続きがでないかなーと思っていたら、1巻が発売をした1年後に2巻が出ていた。これで終わりとはもったいない。 令和発行だと00年代になったばかりにあったような怪異、伝奇は流行らないんだと感じました。2024/02/15
真白優樹
11
東の地柱となった蒼汰が北の地柱の根城である高校に転校する中、白線の新たな動きが起きる今巻。―――生きるべきはそれぞれの世界、それがどれだけ離れようと。 北の地柱、墨染雨と関わったりする中彼女が探し求める死者が現れる巻であり、一妃と花乃、蒼汰の家族の絆が一つの終着点を迎える巻である。それぞれの願いの先、叶えるために彼女は旅立ち残された二人は家族として歩き出す。例えどれだけ離れようと家族であることは変わらない、そう信じて。これからも面倒なこの街で、これからも生きていく。 うん、とても面白かった。2024/01/23
冬野
10
シリーズ第二作。前作以上に面白かった。0章の意味が徐々に分かって霧が晴れてくる感じとか、伏線が収束して終盤に雪崩れ込んでいく様子とか、一冊としての完成度がとても高くて楽しめた。墨染雨と紀子の関係が好き。にしても本人たちが納得してるのにこんなしんどい結末ある?蒼汰・一妃・花乃の三人がもはや人間辞めてるレベル(一妃は元々人外だけど)だから割り切れるのかもしれないけど、こっちは心がついていかんのよ。こんなの物語の終わりを呆然と見送りながら皆の幸せを祈る他ないじゃないですか。前作同様イラストも良かった。星:5/52024/01/27