ちくま文庫<br> むしろ幻想が明快なのである ――虫明亜呂無レトロスペクティブ

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ちくま文庫
むしろ幻想が明快なのである ――虫明亜呂無レトロスペクティブ

  • 著者名:虫明亜呂無【著者】/高崎俊夫【著者】
  • 価格 ¥1,100(本体¥1,000)
  • 筑摩書房(2024/01発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
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  • ISBN:9784480438966

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内容説明

三島由紀夫、大島渚、寺山修司が絶賛したスポーツ評論をはじめ、映画、音楽、文芸など幅広いジャンルをテーマに上質で官能な文章を書いた異才、虫明亜呂無。戦前の職業野球への追想、岩下志麻や太地喜和子の軽妙なスケッチ、栄光と悲劇のランナー円谷幸吉・人見絹枝の美しいポルトレ、巨匠内田吐夢監督の撮影現場レポート……単行本未収録作や代表作から精選した珠玉のエッセイコレクション。

目次

I 女王と牢獄/女王と牢獄/春は目黒/北斗七星/言葉の背後に感じる〝女〟──太地喜和子さん/貧乏時代に励ましてくれた恩人──三田佳子さん/飛行機がゆれるから歩かないで!?──岩下志麻さん/かわいそうだから挿絵描いてあげる──石岡瑛子さん/メダルより一つの微笑が欲しくて……──木原光知子さん/春のにおい/II 芝生の上のレモン──スポーツへの誘惑/名選手の系譜──野球について/芝生の上のレモン──サッカーについて/III 朽ちぬ冠──長距離走者の孤独/大理石の碑/朽ちぬ冠──長距離走者・円谷幸吉の短い生涯/IV 佐渡に鬼を見た──コラム「うえんずでい・らぶ」抄/唐十郎はタイ式ボクシングだ/佐渡に鬼を見た/原辰徳は笛吹童子/女への誤解/『ベルばら』の原点/続『ベルばら』論 女の意気地/〝花〟の映画2題/これは大傑作『カッコーの巣の上で』/野望の軌跡──ポール・マザースキー監督『グリニッチ・ビレッジの青春』/怪物は死んだが……──『キング・コング』のギラーミン監督/都はるみが見事に歌い上げた二つの女心/『アニー・ホール』と3冊の本/小説的な『フェイク』/映画〝ボーヴォワール〟/W・アレンの短編小説/渡辺貞夫さんに尊敬の念/〝奇怪な時代〟への予感/V シーレの女──「ときには馬から離れますが」「虫明亜呂無の音楽エッセイ」抄/冬晴れの日/シーレの女/ふたりの少女/八月十五日をめぐって/セクシュアルなやくざたち/風景と音楽/響き、音色そして色彩/生命のリズム/音楽のもつドラマ性/VI 殺陣の倫理──「映画評論」の時代/殺陣の倫理──『宮本武蔵 一乗寺の決斗』ロケから/カメラの向こう側に真実を──『飢餓海峡』と内田吐夢監督/『自動車泥棒』と和田嘉訓/仁 映画はなぜ栄えるのか/アメリカ映画の女たち/乾草/むしろ幻想が明快なのである──ジョセフ・ロージー『恋』/女は誇りをもって過去を語る/編者あとがき 高崎俊夫

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

阿部義彦

18
寺山修司周辺から、名前だけは知っていて、ボンヤリと競馬とスポーツ関係の文章を書く人でどちらも私の苦手な分野だったので手を出せずにいた虫明亜呂無さん。今回ちくま文庫さんのお陰で、素晴らしい出会いを用意してくれて有難いです。文庫オリジナルとして高橋敏夫さんの手になるレトロスペクティブと題した選集。扱う範囲が広く、映画、評伝、音楽、そして何より女!通俗に流れずに抑えられた筆致で語られる、美しい文章に魅せられました。『ジョーズ』『カッコーの巣の上で』『バニシングポイント』の映画評『円谷幸吉評伝』等極上でした。2023/08/11

よいおいこらしょ

5
スポーツ新聞ってこんなに文化的だったのか! 前半はスポーツへの礼賛、運動をする女性への礼賛で批評的な文章ではなかったが、後半の映画や女優へのエッセイでは一気に演技とはなんぞやと一気に観念的になる。硬派ながらも大胆な文体で読んでいて楽しかった2023/11/04

Cana.t.kazu

5
 虫明さんの名前に惹かれて読みました。 興味深い部分もありましたが,少し求めていたジャンルの文章が少なかったのでフラストレーションでした。2023/08/13

sataka

3
俳優や映画といった芸能的な話は、流石に世代が違い過ぎてピンとこなかったが、所々の表現や、伝記的な文章からは、美文家と言われる著者の真髄を少し感じることができた。この人の小説を読んでみたくなる。女性論、スポーツ評論にしても、この人の様に深く、時には批判も含めて論じることは現代では好まれないだろうし、このような文筆家が今後生まれることはないんだろうなということはなんとなく感ぜられた。出版に感謝。2023/08/01

Y.T

2
風景や人物の心情の描写は素晴らしく良かった。簡潔にして果てしない奥行きをじかに感じさせる。本書で対象としているテーマ(映画、スポーツ)は、自分としてはあまり関心がないし、見たことのない映画の話題も多く、ピンとこなかったのは残念だった。「朽ちぬ冠」が、内容の点でも語り口の点でも一番よかった。2023/09/09

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