内容説明
「銃と魔法」の時代。
オーク族を筆頭に多数の魔種族を擁する連合国家オルクセンと、美しいエルフたちの国エルフィンド。
歴史的対立を深める両国家の国境で、オークの王グスタフと、故国を追われたダークエルフ氏族長ディネルースは、運命の邂逅を遂げた……。
平和なエルフの国を、野蛮なオークが焼き尽くす――そんな「異世界ファンタジーあるある」の常識を覆した異世界戦記がここに誕生!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
岡本
68
Kindle。漫画版を描く野上氏の投稿から本作を知り読了。祖国での族滅から逃れたダークエルフをオークが匿う所から始まる物語。あとがきで著者が記している通り、兵站に重きが置かれており、人族以外に異種族が存在する世界での架空戦記といった方が合っているかもしれない。エルフィンドの戦力がはっきりとしないが、内政チートで発展を遂げたオルクセンの相手になるのか。次巻も楽しみ。2024/02/06
Koning
39
銃と魔法の世界の戦争ということで、既にWebでは完結してるので、大体話はここまで進んだか~。という感じで読むんだけど、かなりブラッシュアップしてて好感。話の雰囲気は普仏戦争なんかの頃の近代に差し掛かろうか?という時代のプロイセン風味のオルクセン王国というオークを中心にした多種族国家と北に国境を接するエルフの国の戦争のお話なんだけど、まず第1巻はその序章。表紙で豚顔の横のいわゆるダークエルフが瀕死でこの王に見つかり手当を受けてからの~というところ。2023/12/22
わたー
26
★★★★★おすすめいただいたので読了。めちゃくちゃ面白いなこれ。オークの王が保護したダークエルフの族長の口から語られたのは、白エルフたちによるダークエルフ狩りという悍ましき民族浄化政策だった。未だ窮地にある同族を救うために命を賭す覚悟を見せる彼女に対し、同族ごと移住し、臣下となることを提案するオークの王。かつて同族すら喰らう蛮族と呼ばれたオークたちの国オルクセンは、近代的な発展を遂げた多民族国家へと成長を遂げていたのだった、と始まるファンタジー戦記モノ。ファンタジー世界の歴史書を読んでいるかのような2024/02/16
和尚
20
かつては蛮族と言われたオークの王が、傷ついたダークエルフを助けるところから物語は始まり、そこからダークエルフの視点で、オークの国の実態を知っていきます。 整えられた法に技術、王の人柄、様々な種族を融合し、論理的に活用できる能力。慈悲深い。深く、深く、底が見えないほど深いとはよく表したもの。 王となったエピソードも良かった。 オークとエルフの先入観を上手く使いつつ、さらにはそのファンタジー種族が主役ながらに近代の技術革命後の現実の史実にも則ってる戦記物なのですよね。それでいて夜目などの種族特性は効果的。 2024/02/14
nishiyan
18
ジェノサイドから国を追われ、満身創痍で倒れていたダークエルフのディネルースがオーク族の王グスタフに救われたことから始まる軍事ファンタジー。兵站と食へのこだわりに溢れた本作。ディネルースの視点で描かれることで、グスタフのオークらしからぬ異様さと彼の国の近代的な多魔種族国家であること理由が説明されているだけでなく、最終的に食へと結びつくのが実に面白い。長命な種族たちだからこその様々な因縁も物語に変化を与えていて興味深かった。いよいよ次巻はエルフの国へ攻め込むのだろう。どんな戦いが待ち受けているのか楽しみ。2023/12/21