内容説明
信号の定義域を,ネットワーク(グラフ)の頂点上に持つグラフ信号を解析するための信号処理技術の一群を指すグラフ信号処理について,グラフフーリエ変換を中心としたネットワーク上データの周波数解析技術などを解説する。
目次
1.グラフ
1.1 さまざまなグラフ
1.2 グラフ作用素
1.2.1 隣接行列
1.2.2 接続行列
1.2.3 度数行列
1.2.4 グラフラプラシアン
章末問題
2.グラフ信号とグラフフーリエ変換
2.1 ディジタル信号
2.2 グラフ信号
2.3 グラフのスペクトル:グラフ作用素の固有値と固有ベクトル
2.3.1 信号の変動
2.3.2 ラプラシアン2次形式
2.3.3 グラフのスペクトル
2.3.4 グラフ作用素の固有ベクトル
2.4 グラフフーリエ変換
2.4.1 導入:線形辞書によるスパース変換
2.4.2 グラフフーリエ変換の定義
2.4.3 フーリエ変換との関係
2.4.4 DFT・DCTとの関係
2.5 グラフ作用素の固有値・固有ベクトルの特徴
2.5.1 隣接行列のスペクトル
2.5.2 グラフラプラシアンのスペクトル
章末問題
3.フィルタリング
3.1 導入:離散時間信号のフィルタリング
3.2 頂点領域でのフィルタリング
3.3 グラフ周波数領域でのフィルタリング
3.4 頂点領域でのフィルタリングとグラフ周波数領域でのフィルタリングの関係
3.5 多項式グラフフィルタの設計
3.5.1 実関数のチェビシェフ多項式近似
3.5.2 グラフ周波数領域フィルタのチェビシェフ多項式近似
3.6 応用
3.6.1 適応的画像フィルタ
3.6.2 バイラテラルフィルタのグラフフィルタ表現
3.6.3 画素適応型フィルタのグラフフィルタとしての設計
章末問題
4.サンプリング
4.1 時間領域でのサンプリングと一般化サンプリング
4.1.1 シフト不変空間でのサンプリング
4.1.2 一般化サンプリング
4.1.3 部分空間に対する事前知識がある場合
4.1.4 滑らかさに対する事前知識がある場合
4.2 グラフ信号のサンプリングと復元
4.2.1 サンプリング・復元のフレームワーク
4.2.2 部分空間に対する事前知識がある場合
4.2.3 滑らかさに対する事前知識がある場合
4.3 グラフ信号モデル
4.3.1 周波数領域における生成モデル
4.3.2 頂点領域における生成モデル
4.4 グラフ信号のサンプリング手法
4.4.1 頂点領域でのサンプリング
4.4.2 グラフ周波数領域でのサンプリング
4.4.3 シフト不変空間との違い
4.5 グラフ信号のサンプリングと復元の例
4.6 サンプリング頂点選択手法
4.6.1 決定性サンプリングと乱択サンプリング
4.6.2 決定性サンプリングによる頂点選択
4.6.3 乱択サンプリングによる頂点選択
4.6.4 計算量
4.7 応用
4.7.1 センサ配置
4.7.2 能動的半教師あり学習
4.7.3 3次元点群のサブサンプリング
章末問題
5.局所性と不確定性
5.1 グラフ信号の不確定性(1):エネルギーの広がり
5.1.1 通常の信号処理におけるエネルギーの広がり
5.1.2 グラフ信号処理におけるエネルギーの広がり
5.1.3 実現可能領域
5.2 グラフ信号の不確定性(2):スパース性
5.2.1 頂点部分集合の信号エネルギー
5.2.2 グラフ周波数部分集合の信号エネルギー
5.3 グラフ信号のシフトと変調
5.3.1 シフト
5.3.2 変調
章末問題
6.グラフウェーブレット・フィルタバンク
6.1 グラフフィルタバンクの構成
6.1.1 分析側変換
6.1.2 合成側変換
6.2 望まれる特性
6.3 特徴による分類
6.3.1 フィルタの設計領域
6.3.2 サンプリング率
6.3.3 対称性
6.4 頂点領域でのフィルタ設計
6.4.1 リフティング
6.4.2 非間引き型変換
6.4.3 間引き型変換
6.5 グラフ周波数領域でのフィルタ設計
6.5.1 非間引き型グラフフィルタバンク
6.5.2 頂点領域サンプリングを用いた最大間引き型グラフフィルタバンク
6.5.3 グラフ周波数領域サンプリングを利用したグラフフィルタバンク
6.6 応用
6.6.1 グラフ信号のノイズ除去
6.6.2 グラフ信号の圧縮
章末問題
7.多スケール分解
7.1 グラフ信号の多スケール分解
7.2 グラフの縮小
7.2.1 頂点数の削減
7.2.2 スペクトルクラスタリング
7.2.3 頂点の再接続
7.2.4 Kron縮小
7.2.5 頂点領域とグラフ周波数領域でのサンプリングの関係
7.3 グラフラプラシアンピラミッド
7.3.1 ラプラシアンピラミッド
7.3.2 グラフラプラシアンピラミッドの構成
7.4 グラフの拡大とグラフ信号のオーバーサンプリング
7.4.1 3彩色グラフの拡大
7.4.2 K彩色グラフの拡大
7.5 応用
章末問題
8.グラフの推定と学習
8.1 グラフ推定
8.1.1 K近傍法
8.1.2 ?近傍法
8.2 統計的モデルを利用したグラフ推定
8.2.1 相関係数
8.2.2 ガウスマルコフ確率場
8.3 グラフ信号の生成モデルを利用したグラフ学習
8.3.1 グラフ周波数領域の生成モデル
8.3.2 頂点領域の生成モデル
8.4 有向グラフの学習
8.4.1 スパースベクトル自己回帰モデル
8.4.2 構造方程式モデル
8.5 時変グラフ学習
8.6 応用
章末問題
付録
A.1 グラフ信号処理に役立つツールボックス
A.2 レイリー商
引用・参考文献
章末問題解答
索引
感想・レビュー
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