内容説明
そこは心のモヤモヤを洗い落とせる場所。
困った洗濯物も人に言えないお悩みも
コインランドリーで解決します。
心がすっきり&ふんわりする物語。
中島茜は新卒から三年間働いたブラック企業を辞め、家に引きこもっていた。このままじゃ駄目だと、半月ぶりに洗濯を思い立ったものの、洗濯機が故障。途方にくれた茜は、近所で見つけた「ヨコハマコインランドリー」に駆け込む。洗濯相談も行うその店で、店長の新井真奈と出会い、話をするうちに、いつしか茜の心は軽くなり……様々な悩みを抱える人々が集う、心の洗濯物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のんちゃん
49
茜は新卒で入社した不動産会社で3年間働いたが、その仕事内容の理不尽さにボロボロになり退職。自宅の洗濯機故障の為、入店したヨコハマコインランドリーで店長真奈と出会い、その店で働くようになり、という話。時代小説では何作か既読の泉先生の現代物。お節介と思える程の優しい、でも自分に自信のない主人公は時代小説の中の江戸の娘に通ずる所があり、なんだか嬉しい。洗濯を通して悩める人々がその悩みを乗り越えて行く様も、時代小説の時の感じと同じで清々しい。時代小説の方もこちらの現代物も物語はまだまだ続く様子。とても楽しみだ。2024/06/03
ぶんこ
40
茜が新卒で入社した不動産会社はブラックだった。退職して暫くは無気力な日々だったが、一念発起して掃除。汚れた衣類を洗濯しようとしたら、洗濯機が壊れていた!近くのコインランドリーを調べて行ってみたことで、沈んでいた人生が回転し始めます。お店のオーナー真奈さんは柔らかくて穏やかな人。茜は少しずつ癒されていく。真奈さんのクリーニングの師匠である高岡さんや、彼の双子の弟、お店のお客さんとの日々。異臭を放つご老人、とんがった目つきの翔君。身の周りを気遣ってくれる家族のいることの有り難さを感じずにはいられませんでした。2024/06/30
mayu
32
初読み作家さん。横浜のコインランドリーを舞台に家に洗濯機が無い人やあってもさまざまな理由でコインランドリーを利用する人達。お客さんは日々の中で何かを抱えていたりする。常連の大塚さんも良いスパイス。読みやすくてあっという間に読んでしまった。茜の真面目さが痛いほどわかってしまって苦い。確かに綺麗に洗われて良い匂いのする洋服は着ていて気持ちが良いし、気分が変わるかもしれない。読み終えた後は爽やかで温かい風が吹いたような気持ちにしてくれる一冊。続編があったら読んでみたい。2024/01/15
楽駿@新潮部
31
読書会仲間本。我が家はコインランドリーをやっていて、読書会仲間が貸して下さいました。この本の中にも出てきますが、クリーニングサービス的な事は、クリーニング師の資格が必要で、基本、自分でやっていただく、機械の利用方法とかはお手伝いできるのですが。洗濯とか、お風呂とか、綺麗になって、きっと自己満足なんでしょうね。それでも、フワフワのタオルとか、寒い時期に充分温まった身体とかは、ひとときの幸せを運んでくれる。そんなちょっとした、細やかな幸せを届けられたら、受け取る方だけでなく、届ける方も幸せなんですよね。2024/09/16
ベローチェのひととき
28
妻から廻ってきた本。新卒から三年間働いたブラック企業で心をズタズタにされ、家に引きこもっていた茜が主人公。このままではダメだと半月ぶりに洗濯をしようと思いたったが洗濯機が故障。近所にあったヨコハマコインランドリーに行き、その店で店長の真奈と出会い、少しずつ心が解放されていく。まだ続きがありそうな終わり方なので続きもぜひ読んでみたい。2024/08/26