内容説明
★ゴッドフレイの外伝小説も発売中★
友を繋ぎとめるため、友と並び立つため、さらなる絆や力を求めたピートとガイ。
しかし、彼らが覚悟を持って踏み込んだ先は、決して光ばかりとは言えないものだった。それは剣花団のほかのメンバーも同じこと。
呪者として目覚めたガイは、力の制御が可能となるまで一時的に剣花団を離れることになり、メンバーに動揺が走る。しかも、オリバーたちは上級生として研究室選びの時期を迎え、各々が自分の将来を考えなければならない。徐々に、しかし確実に、彼らの関係性には変化が起こっていた。
そう――大人に近づき、魔に近づく彼らは、かつてのままではいられないのだから。
さらに、新任教師ファーカーの不気味なまでの優しさや、この学校では異常とも言える生徒想いな振る舞いは、一部のキンバリー生たちの考え方までも変えていく。一方で、謎に包まれたその真意を確かめるために、オリバーは自ら魔人へと接近し――
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
33
呪者として目覚めて一時的に剣花団を離れることになったガイ。一方、オリバーたちも上級生として研究室選びの時期を迎え、各々が自分の将来を考え始める第十三弾。岐路に立って友を繋ぎ止めるためさらなる絆を求めるピート、並び立つため力を求めるべきなのか葛藤するガイが抱える何とも複雑な思い。オリバーと共にいる喜びを隠せないカティに、お互いの事情を彼と分かち合うシェラ。剣花団としての絆は強固でも、同時にそれぞれがどうあるべきか考えないといけなくて、いくつもの切ない想いも垣間見えましたが、ファーカーの存在が不気味ですね…。2023/12/08
きんばら いつき
25
誰かが欠落することでの人間関係の綻びがよく現れている。誰かが担っていた役割の穴埋めで、別の誰かにしわ寄せがいき、それが新たな歪みを生み…。大賢者という強力極まりない存在の加入も、ある意味では人間関係の変化ではないだろうか。それこそ、独裁体制から別の対抗勢力が生まれるというパワーバランスの変化にも見える2023/12/27
山川欣伸(やまかわよしのぶ)
15
シリーズ第13弾では、ガイが剣花団を一時離れるという事態が展開される。これによりオリバー達の絆に一抹の不安が生じ始めた。一方、4年生になったオリバー達は、研究室選びに奔走する。本作のテーマは「変化と成長」である。オリバー達は大人への階段を上りながら、魔法の世界の厳しさに直面する。かつての無邪気さを失いつつも前に進み続ける様子に、私は彼らの青春期の移り変わりを象徴していると感じた。余韻に長く浸れる作品である。2024/04/18
AKF-ZERO
13
呪者として力を制御出来るようになるまで、剣花団の仲間達と距離を置くこととなったガイ。それにより剣花団の歪な絆がよりくっきりと浮かび上がってしまうことに。こうしてみると、ガイは剣花団の中で潤滑油でありブレーキでもあった、バランサー的存在。その彼が離れた途端、これまでギリギリ保たれてた仲が崩壊です。表紙から察するにシェラに何かあるのではと思ってましたが、これはまたどデカい地雷を踏んでしまいました。以外にもアニーが面白キャラに定着しましたが、こういうのは好みです。2023/12/14
たまご
11
今回は初めてオリバーとシェラの間に軋轢を生む事になるのですが、それにより語られるシェラの過去が辛い。同じ痛みを理解し合える境遇だった二人が心通わす様子にグッときます。今まで見れなかったシェラの姿にも注目です。そしてなんといってもガイのオリバーに対する親愛!剣花団に復帰したガイとオリバーの再会シーンは涙なくして読めません!また物語としては、謎めいていた異端狩り本部や聖光教団の全貌が少しずつ明らかに。どちらもトップクラスの化け物揃いでした。後書きにあった『戦争が始まる』が不穏すぎ!2023/12/16