殺人者たちの「罪」と「罰」:イギリスにおける人殺しと裁判の歴史

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殺人者たちの「罪」と「罰」:イギリスにおける人殺しと裁判の歴史

  • 著者名:ケイト・モーガン/近藤隆文/古森科子
  • 価格 ¥3,080(本体¥2,800)
  • 草思社(2023/12発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 840pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784794226679

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内容説明

人を殺した人間は、
どのように裁かれるべきなのか?

――殺人にいたる理由をどこまで視野に入れるべきか?
――外的な圧力や絶望的な状況は殺人の理由になるか?
――殺害する意図がなかった場合の罪をどう考えるべきか?
――責任能力の概念をどのように適応すべきか?
――法人による殺人をどう裁くことができるか?

過去に起きた驚愕の事件の数々を俎上にのせ、
人命を奪った人間の「罪」と「罰」が定義され、
分類されるプロセスを明らかにするスリリングな考察。
正しい「裁き」をめぐる社会意識の変遷を浮き彫りにする異色の社会史!

【本書「プロローグ」より】
 私たちは殺人(謀殺)がほかのどの罪よりも高位にあることに慣れている。それは刑法上、ほかのどの犯罪よりも地位が高い。……しかし、すべての謀殺が平等なわけではない。すべての殺人者を平等に扱うべきか否かという問題は、長きにわたり司法制度を悩ませてきた。……また一九世紀に医学と精神医学が進歩した結果、裁判所も一部の殺人者は罰と同じだけ助けを必要としていることを認識しなくてはならなかった。
 殺人の真実はどんなフィクションよりも奇妙で、暗鬱とし、人の心をつかんで離さない。それは物語の継ぎはぎ細工、罪と罰の物語であるばかりか、正義と不正義の物語、人間と土地、ごく個人的な悲劇の物語だ。そのどれもが絶え間ない社会の変化と政治的激動を背景に起こっている。
 この歴史をたどることで、こうした死が今日の私たちの生活に与えてきた影響が見えてくるだろう。結局のところ、いちばん怖い話はきまって本当の話なのだ。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

117
単純に殺人という言葉ではくくれない。英国で近代的法制度が整備されてきた過去3百年を振り返り、殺意の有無に正当防衛か否か、暴力や挑発への反抗、狂気の判定など事件の理由で分類され、この罪にはこの罰という罪刑法定主義が定着されるに至ったのかを跡付けていく。伝統を重視する国柄とされるが、「正しい裁き」を求める社会の思いを議会や政治が受け止めて法改正を重ねてきたのだ。現在、最も議論されているのは企業が原因の事件を罪に問えるかであり、鉄道事故など同様の案件を抱える日本にも法の未来を考える上で重要な示唆を与えてくれる。2024/06/04

DEE

6
殺人事件が起きて、それに対応する法が定められながら現在に至るという経緯が興味深い。正当防衛、心神喪失、対企業の裁判、極限状態での生命を守る必死の行動。殺人に至る理由はいくつもある。そしてそれを裁く法も時代によりかなり変わる。人が人を裁くのは本当に困難なことだと思う。2025/05/02

ポルポ・ウィズ・バナナ

6
◎企業の怠慢による事故が発生した時、省庁の対応に不満や不信を感じる日本人は沢山いると思うんだけど(思いたいんだけど)それは別に日本に限ったことではない。◎ティッピングポイント2024/03/05

takao

3
ふむ2024/05/29

rubidus

3
イギリスでの殺人に関連する法律の変遷が読める。殺人を意味する「murder」は、カラスの群れを意味する集合名詞としても使われるようだ。「a murder of crows」で「一群のカラス」という意味になる。元の文章の語順を尊重したのか読みづらい。2024/03/16

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