内容説明
咸臨丸による渡米、不偏不党の新聞『時事新報』創刊、そして慶應義塾の創設と教育改革――。開国に伴う体制一新の時代、勝海舟、北里柴三郎、川上音二郎ら傑物との交流と葛藤の中で、国民たちの独立自尊を促し、近代日本の礎を築いた福澤諭吉の生涯。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
154
上下巻、700頁強、完読しました。激動の時代で、福沢諭吉という素材ならもっと面白くなりそうだったんですが、福沢諭吉の自伝のリライト小説のせいか、あまり面白くありませんでした。慶應大学OBにもオススメしません。 著者は、これが最後?の小説のようですが、著者らしい荒唐無稽な小説で終わって欲しい気がします。 https://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000015609/2024/04/11
KAZOO
99
福沢節というよりも荒俣節が聞こえてきそうな感じの話ぶりです。下巻では弟子たちとのやり取りが主な感じとなっています。小泉新吉とのやり取り、あるいは北里柴三郎へのサポートなどが主体でわたしの知らないことがかなり多くありました。最後のエピローグでは「死から覚めて視た未来」ということで昭和五十二年に遺体が掘り出されたことが書かれています。「福翁自伝」を読みなおそうかと思います。2024/02/25
maimai
11
うむむ。上巻は調子よかったんだけどなあ。福沢諭吉について書くときにこういう叙述の形式をとった意図はわかるし、というかなるほどなぁとも思ったのだが、そしてそれは博覧強記の著者ならではの発想だとも思うのだが、それは碩学・荒俣宏の素晴らしいアイディアではあったとしても、それを物語る小説家・荒俣宏の手には余ったんではないかなぁ。『帝都物語』を読んだときにも感じた、「この話はもっと面白いはずなのに、読んでいてもっと血沸き肉躍る心地がしないのはなぜだろう?」という感覚を思い出した。2024/01/23
chuji
3
久喜市立中央図書館の本。2023年12月初版。初出「ミステリマガジン」2019年9月号~21年3月号。連載時のタイトル「夢中伝――福翁余話」のタイトルを改題し大幅に加筆・修正。荒俣版の福沢諭吉外伝。2024/03/26
takao
2
ふむ2023/12/27