ちくま新書<br> 情報公開が社会を変える ――調査報道記者の公文書道

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ちくま新書
情報公開が社会を変える ――調査報道記者の公文書道

  • 著者名:日野行介【著者】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 筑摩書房(2023/11発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480075918

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内容説明

行政が押し進める理不尽な政策。そこに共通するのは、意思決定過程が不透明で結論や負担だけを市民に押しつける点だ。真実を知り、民主主義を守るためには、私たち一人ひとりが行政を監視し、政策をチェックすることが求められる。役所の不正に立ち向かうとき、強力な武器となるのが情報公開制度だ。これまでに千件もの情報公開請求を行い、数々のスクープを伝えてきた調査報道記者が、長年の経験をもとに、そのしくみとテクニックをわかりやすく伝授する。

目次

はじめに/第1章 報道は期待できない──市民が自ら情報公開請求すべし/突然の建設計画/役所に騙されないために/情報公開請求したことがない記者たち/コロナで仕事がなくなった/緊急事態宣言下でひたすら下調べ/情報公開請求は誰でも使える「正攻法」/第2章 はじめての情報公開請求/プレスリリースを見てみよう/実は肝心なことが書かれていない/情報公開と公文書管理の基本知識/一連の「公文書スキャンダル」が示したもの/冤罪事件の弁護に似ている/第3章 意思決定過程を解明する──狙いは非公開の「調査」と「会議」/隠された政策のテーゼを言語化する/「公表」と「公開」の違い/狙うのは非公開の「調査」と「会議」/非公表「調査」の探索法/見つけるのに苦労した調査/チェルノブイリ法を否定するアンチョコ/非公開会議の目的はシナリオのすり合わせ/いじめ自殺問題で市教委に情報公開請求/市教委と学校が隠したかったこと/第4章 「不存在」を疑う──役所のごまかしをどう見抜くか/情報公開と公文書管理は民主主義を支える車の両輪/「不存在」の文書があった/公文書と「個人メモ」の境界は/「保存期間一年未満」の文書/決裁文書が付いたものだけが公文書?/「決裁文書がないから不開示」/請求取り下げの要求には要注意/特例延長について/期限の定めがない特例延長/第5章 請求テクニック──目的の情報にたどり着くために/議事録は一つではない/録音データも公文書/電子メールも公文書/独立行政法人にも情報公開請求できる/情報公開請求は挑戦状/開示の決め手は気迫と見識/第6章 黒塗りに隠されたもの──役所の「痛点」を見つける/黒塗りから透けて見える真意/「知られたら勝手に避難されてしまう」/会議のマトリョーシカ人形/役所のアピールと矛盾するファクトを見つけ出す/途中で葬られた選択肢を探す/密かに確保していた除染費用/消化不良の理由/第7章 審査請求のススメ──「不開示」がきたらどうする?/市民でもできる/「のり弁」と審査請求/審査請求書の書き方/過去の開示事例を探す/他の役所の開示事例を探す/審査請求後の流れ/情報公開審査会の答申/元委員が語る審査請求のススメ/おわりに/参考文献/あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

田中太郎

7
基本的に小説を主に読む自分が、書店に行った時に何故かなんとなく興味を持ち手に取った1冊。 国籍問わず誰でも権利は持ってるけれども殆ど使用されることのない権利である情報公開、その具体的方法や事例について詳しく書かれていた。 特にあまり知られていない審査会のことについて詳細が載っていたのが面白かった。 行政に対して法律を制度を使用してどのように立ち向かっていくか、誰が読んでも分かりやすく書かれているのが良かった。 情報公開を考えている人の良い入門編になるのでは、と思った。2024/03/02

ひつまぶし

3
後半は流し読み。著者の性格なのだろうが、書きぶりがちょっと意地悪。事例として出てくるのは、著者が調査報道のテーマとして取り組んできた原発行政が中心なので、細かいところまで理解しようとすると読んでいてしんどい。行政機関が用いるごまかしの手口とそれらへの対抗策、資料の読み解きかたなどは詳しい。「こういう資料があるはず」というあたりをつけるには組織が普段どのように動いているかを知らなければいけない。情報公開制度を活用するための次なる基礎知識として、日常業務の手続きやルーチンワークの実態を扱った本があると助かる。2025/03/07

Humbaba

2
情報は行動しなければ得られない。ただし、それは行動すれば欲する情報が得られるということを意味しているわけでもない。得られる情報であってもそのためには正しい手続きが必要になるし、やり方次第では手元に入らないこともある。どのような情報が欲しくて、それを得るためにはどのようなやり方が適切なのか。それらをよく認識しなければ、情報を提供する側の都合のよい方向に流れてしまう可能性もある。2024/07/08

takao

2
ふむ2023/12/26

お抹茶

2
『調査報道記者 国策の闇を暴く仕事』で著者が原発行政の隠蔽性を暴く実例を読んだ。この本では,情報公開請求のノウハウを伝授し,情報公開請求の方法や役所によるごまかしの実例を記す。役所が情報を広く発表する「公表」と市民から請求されたから開示する「公開」の意味を混同させて,非公表の情報は全て非公開と思わせる。決裁文書がついていなくても公文書である。録音データも電子メールも市民から気づかれないよう腐心しているが,公文書である。著書は毎日新聞を辞めたそうで,このような役所に嫌われる取材の難しさと関係するのだろうか。2023/12/15

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