内容説明
武士の究極奥義禁止に絶体絶命の危機が!?
いまや大岡越前の名裁きを超えると評判の高い「どげざ裁き」。
町人から拍手喝采を浴びる町奉行の牧野成綱だったが、なんと土下座禁止の命が下ってしまう。
敵対する老中の水野忠邦と阿部正弘の嫌がらせに絶体絶命の牧野。
今日のお白洲は「三方一両損」ならぬ、「三方一どげ損」で、紙一重の落着に導いたはいいが、すぐさま最大の危機が町奉行所に襲いかかる。
江戸市中に阿片が出回っているというのだ。
南北町奉行所総出で探索する中、同心の小野寺重吾は、「げんこつ咲く良」と呼ばれる喧嘩娘に出会う。
阿片事件の鍵を握っているらしい彼女は一体何者なのか?
気炎万丈の剣戟捕物、再び参上!
小野寺重吾……北町奉行所の同心。あだ名は「しゅうとめ重吾」。
牧野成綱……北町奉行。江戸城内で「どげざ駿河」と呼ばれる。
咲く良……弱きを助ける美人喧嘩娘。「げんこつ咲く良」が通り名。
八重……重吾の妹。「黙っていれば小町」と囁かれるほどの美形。
遠山景元……南町奉行。人呼んで「いれずみ金四郎」。
財前孝三郎……南町奉行所の廻り方同心。周りは「花がら孝三郎」と呼ぶ。
夜目鴉の菊……関八州を股にかけた元大盗賊の老女。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のびすけ
22
シリーズ2作目。どげざ奉行こと牧野駿河守が、土下座禁止(どげきん)を言い渡された!長屋のしょうもない夫婦喧嘩に端を発した「蝦蟇ちどり」をめぐる騒動が、南北の町奉行所を巻き込む大捕物に。げんこつ咲く良と小野寺の掛け合いが面白い。咲く良と小野寺の関係がいい感じに展開しそうで、次巻も楽しみ。2023/12/31
麻友
3
図書館で借りて読了。土下座で名裁きの奉行。今回は土下座の禁止を言い渡される。徐々に誤解は解けていくのだろうか?今後のしゅうとめ重吾とげんこつ咲く良の活躍に期待。2023/12/26
福ノ杜きつね
2
前作に続き、小気味良い切れ味の文体が冴える。いよいよ物語が大きく動き始めた。武器である土下座を封じられた牧野。それと同じくして持ち上がった江戸市中の阿片問題。しかし牧野は、土下座禁止を逆手に取って人を動かし、逆境を打開してゆく。この男、やはり只者にあらず。物語としては円満解決とはならなかったが、次回への惹きは十二分だ。2024/04/22
dokuni_san
2
良い感じの仕掛けと、どんでん返し。 いろいろ誤解を残したまま続巻へ。 あれ、意外と楽しみにしてるな。2023/11/16
ok_ak0203
1
シリーズ2作目。お奉行の不思議ちゃん度と、大袈裟な土下座効果の表現が癖になる。しかも、無敵の土下座を封印されてしまった!この2作目にしてラスボスクラスの難問を突きつけられた小野寺。咲く良登場。小野寺とお似合いのコンビ。女性陣のキャラクターが良い。それにしても、大目付といい、お奉行たちといい、フットワーク軽い人が多いw2024/01/27