内容説明
暗号解読士と新米刑事が暗号に挑む!
謎多きダイイングメッセージも、不可解な文字の羅列も、意味不明な記号の集まりも、暗号と名のつくものであればどんなものでも、たちどころに誰もが理解できる言葉に変換してしまう大学生の九條キリヤ。暗号に隠された思いや願いまでも鮮やかに解き放つ彼は、警察関係者から『暗号解読士』と呼ばれている存在だ。
四年前に起こった妹の事件を調べるため、警察の民間人協力者となっていたキリヤは、新米刑事の七瀬光莉と知り合い、ともに暗号にまつわる数々の難事件に関わるように。無愛想で人嫌い、そのうえ毒舌家なキリヤだが、裏表がなく真っ直ぐな性格の光莉と行動を共にするうちに、いつしか心を開きはじめる。
そんなある日、光莉から怪しい脱出ゲームが開催されているという話を聞いたキリヤ。参加費は無料なのにクリアすると高額な賞金がもらえるという一日一組限定の脱出ゲーム。キリヤと光莉は会場となる高級マンションに向かうが、やがて事態は意外な方向に動きだして――。
九條キリヤに、最大のライバル出現!? 暗号解読ミステリー、第二弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
34
最初は散発的な物語の積み重ねであったのが、どこかでつながりを持つようになり、いつのまにか全体をつなぐ大きな枠の謎解きと化していく。キリヤと光莉の事件簿が、いつしかキリヤ自身の事件となって、光莉をも包み込む。さすがに歴史的暗号では限界があるのか、現代的暗号も登場する。しかしミステリとしての見事さはそこではない。全体をふりかえってみて初めてわかる仕掛けこそ醍醐味。いざという時に大暴れの印象がある光莉だが、物語の進行にしたがって、キリヤとの距離が縮まっていくのが微笑ましい。ここで完結するよりも続編を期待したい。2024/03/30
よっち
32
四年前に起こった妹の事件を調べるため、警察の民間人協力者となっていた大学生の九條キリヤが、新米刑事の光莉から怪しい脱出ゲームが開催されているという話を聞く第2弾。参加費は無料なのにクリアすると高額な賞金がもらえる一日一組限定の脱出ゲーム。会場となる高級マンションに向かった結果として、意外な方向に動き出す事態に巻き込まれていくキリヤと光莉。妹の事件の真相に迫って決着を付けることができた一方で、黒幕の存在も明らかになった今回の展開でしたけど、少しずつ変わりつつあるように感じた光莉との関係も気になるところです。2024/02/13
イシカミハサミ
11
短編連作のスタイルの物語を きれいに幕引きしようとすると どうしてもこういう感じにはなるかな、という1冊。 間延びしていないところはよかった。 それにしてもよくできた話すぎる。 せめてそのよくできた加減にも暗号の要素があれば もう少し素直に読めた気はするけれど。 叙述トリックは暗号に含まれるのかな。 偶然と必然の線引きは フィクションだからこそもう少し厳密にした方が没入感がある。個人的に。2024/02/17
まいさん
10
シリーズ2作目。高額賞金が貰える怪しい脱出ゲームに関わった事件がきっかけで、九條キリヤの妹を殺した犯人を逮捕できた。しかし、犯罪をセッティングした黒幕の存在が明らかに。名探偵には好敵手がいるようなので、まだ続くのかな?2023/11/27
愛華
1
ようやく読み終えました。他に読む本が読み終わらずで中々順番が回ってこなかった。今回も面白かったです。実際に一覧表見ながら何が書いてあるのか読み解くのも楽しかった。そこからこの事件に繋がるのかという面白さと裏ボスについてもまさかと思ってしまった。そして主人公とキリヤの関係がいい。作者の書き方的にすぐに続きは出そうにないけど、ひとまずコミカライズの絵は期待できそうなので楽しみにしたいと思います。2024/02/15