内容説明
暗号に隠された思いを解き放つ!
九條キリヤ。通称『暗号解読士』。類い稀なる数学的センスで事件現場に残された暗号を解き、難解な事件をいくつも解決に導いてきた警察の民間協力者――。
担当する殺人事件の捜査のため、キリヤがいると教えられた大学へ向かった警視庁の新米刑事・七瀬光莉。構内で学生に間違えられた光莉は面倒ごとに巻き込まれそうになるが、突然現れた青年に助けてもらう。見たことがないほど美しい顔で毒舌を振るい、信じられないほど無愛想に対応するその青年がキリヤ本人だと知り、驚く光莉。そしてキリヤは、光莉たちがどうしても解けなかった暗号を難なく解き、その実力を光莉に見せつけるのだった…。
暗号を作った人を知ることこそが、暗号を解く近道になる。そう語るキリヤとともに、暗号に隠された意図を探るため、関係者への聞き込みを進める光莉。だが、捜査の最中、光莉たちは何者かに襲われ、キリヤが怪我を負ってしまう!?
他人との深い関わりを拒みながらも、暗号に込められた思いや願いを探り解き放つ、大学生キリヤ。彼が探し続ける〈最期の言葉〉とは? 暗号にまつわる数々の事件と秘められたキリヤの過去を描く、暗号解読ミステリー!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
35
担当する殺人事件捜査のため、『暗号解読士』キリヤと会いに大学へと向かった警視庁の新米刑事・七瀬光莉。構内で面倒ごとに巻き込まれた彼女をキリヤが隠語解読で救う暗号解読ミステリ。類い稀なる数学的センスで現場に残された暗号を解き、難解な事件をいくつも解決に導いてきた民間協力者キリヤ。彼が解き明かす議員秘書のダイイングメッセージ、呪われた執事喫茶の暗号、タイムカプセルの秘密、明らかにされてゆくキリヤが探し続ける最期の言葉の意味。難解な暗号を用いながらも物語としては読みやすくて、対照的な光莉とのコンビにも期待です。2023/05/08
へくとぱすかる
34
21世紀に暗号小説は難しい。乱歩の時代ならホームズ的謎解きも成立したかもしれないが、戦争が暗号を強化し、さらにコンピュータが暗号を趣味的世界から遥かな遠くに追いやってしまった。しかし本作は、そんな時代でも立派に暗号ミステリが成り立つことを示してくれた。小説として、複雑さよりもひねりや視点の転換が重要になるが、見事に読ませてくれる。学生の九條キリヤが「暗号解読士」として新米刑事の七瀬光莉に協力して事件を解決していくのだが、彼が何のために関わっているのか、その理由が切ない。光莉がコミカルな役割なのが良い。2024/03/30
坂城 弥生
34
キリヤって光莉に結構甘いなぁと思った。2023/10/31
がんも
18
大学生で暗号解読士である警察の民間協力者九條キリヤと新米刑事七瀬光莉のバディもの、警察物としてはツッコミどころ満載だけどライトなのでよし、ライトだけどキリヤの妹の事件とか光莉の小学校時代の話しとかちょこちょこ重たいものも挟まってくる、暗号の蘊蓄も満載で図付きで分かりやすくて良かったです、妹さんの事件は解決してないから続き出るのかな、続き出たら読みます。2023/06/02
お涼
18
警察官と暗号解読が得意な大学生とのバディもの。警察官と一般人、よくある設定だけど、なんだかよかった。もっといろんな種類の暗号が見てみたい。続編希望。2023/05/28