内容説明
かつてない迫力の長篠合戦!シリーズ第三弾!
旧浅井家重臣の遠藤与一郎は、浅井家再興という本懐のため、羽柴秀吉のもと、足軽から再出発することとなった。
与一郎と、家来の弁造・左門の三人は、来る一向一揆討伐のための物見、そして姿を消したかつての恋人・於弦の消息を辿るべく越前に潜行する。そこで於弦が一揆の指導者・七里頼周の囲われ者となったという噂を聞き意気消沈する与一郎に、さらなる重大な情報が舞い込んだ。徳川信康の重臣・大賀弥四郎が敵方の武田勝頼と内応し、岡崎城を乗っ取ろうとしているというのだ。報せを受けた秀吉から与一郎にまた無茶な命がくだるーー「大賀弥四郎はおみゃあが殺せ」。
そして徳川家中が落ち着き、勝頼が兵を長篠城に向け南下させ始めたことを知った織田信長は、「武田を潰す好機」と設楽原にありったけの鉄砲と丸太を集めた。大普請の末に築いた長大な馬防柵の最前線、人馬入り乱れ、鉄砲玉飛び交う激戦場で、弓使いの与一郎らは活躍なるか!?
かつてないディテールと臨場感が迫る、お家再興戦国物語第三弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yoshida
72
越前一向一揆への潜入、武田に内通した大賀の暗殺、長篠合戦から越前一向一揆殲滅迄。加賀から呼び込まれた一向衆により統治された越前。実態は坊官による圧政が敷かれていた。潜入した与一郎は於弦が坊官七里頼周に囲われている事を知り、胸中がざわめく。長篠で武田家に深い打撃を与えた織田家。続いて越前を平定する。左門の叔父により匿われていた於弦。再会した与一郎は、於弦の臨月の姿に懊悩する。なかなか予想外な描き方がある。夫婦約束より御家再興をまずは選んだ与一郎。於弦が悋気で敵国に身を投じて囲われ懐妊する。予想外な展開。2024/03/31
yamatoshiuruhashi
60
家康の長男が意図したものかどうか、とにかく家康の家中から武田に内通して同盟者・信長を攻めようとする意図を察知した察知した与一郎は、秀吉からまた間諜を命ぜられる。謀反の元凶は、家康の知るところか否か。とにかく唯一の同盟軍家康を失うわけにはいかず、謀叛を画策する首領を誅殺することを命ぜられ見事完遂。遂に騎乗の身分となる与一郎。その謀反が不発に終わったことから、武田は軍の目標を変更せざるを得なくなり、これがかの長篠の戦いとなる。史実を織り交ぜながらのフィクションに引き込まれ読了。次巻まで内容を覚えているかな?2023/11/24
やま
58
浅井長政の旧臣、大石与一郎の活躍の物語です。織田信長に滅ぼされた近江国小谷城主浅井長政の重臣、遠藤喜右衛門の嫡男、遠藤与一郎は、名字を大石に変えて浅井家再興のため織田信長の家臣で、近江小谷城主で十二万石の大名羽柴秀吉に足軽として仕える。そして、越前国(福井県)での内情偵察によって徳川家康の重臣である大賀弥四郎が敵の武田勝頼に内応していることをつかみ、秀吉の命で大賀を弓矢で射殺す功績をあげて足軽から二百貫(四百石)の俸禄を貰う武士に出世をする。2024/02/12
saga
49
敦賀を拠点とした情報収集中の与一郎たちは、越前府中へ活動の場を移した。そこで徳川家康嫡男・信康の家臣が謀反との情報を得て、与一郎がその暗殺を実行。その功績により馬乗りの身分になる。秀吉軍の中で出世することに喜ぶ与一郎を見るのはちと複雑だ。長篠の戦いの場面の臨場感は著者の得意とするところだ。植田茂兵衛の登場でニヤリ。そして、後に信長公記を著す太田牛一まで登場! 於市からは和音の結婚・出産を告げられ、終章では於弦の懐妊を目の当たりに。これで与一郎は吹っ切れた……のだろうか?2024/04/03
fuku3
29
2023.11.21読了。シリーズ第3弾。浅井家の御家再興の為、羽柴秀吉に足軽から仕え色々な諜報活動を行う大石与一郎一行は、徳川信康の家臣大賀弥四郎が武田勝頼と内応している事を掴む!秀吉に報告すると岐阜の信長まで連れて行かれ、お前の毒矢で大賀を討ち取れの命を受ける!見事に大賀を斃した与一郎は足軽から秀吉の馬廻り衆に出世!岡崎の徳川に攻め込む予定だったが、内通者がいなくなった勝頼は上げた拳の下ろし方に困って仕方なく織田徳川連合軍に攻め込んだ!信長は待ってましたとこれを迎え討つ!謂わゆる"長篠の戦い"である!2023/11/21