内容説明
米CBSでTVドラマ化!
ディーヴァーが描く新たな主人公は流浪の名探偵コルター・ショウ!
ドンデン返しの魔術師、新シリーズが待望の文庫化
幼少期に父親からサバイバル訓練を受けたコルター・ショウはその能力を発揮し、連続誘拐事件の真相を追う。あるゲームを想起させる事件現場。残忍な舞台を設定した真犯人とは――?シリコンヴァレー、そしてゲーム業界の光と闇を鮮明に描きながら、どんでん返しが読者を翻弄する、ディーヴァーの真骨頂! 解説・鈴木理香
※この電子書籍は2020年9月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
101
私はこの新シリーズキャラクターの登場を大いに歓迎したい。コルター・ショウの礼儀正しさに好感が持てたし、サバイバル術を会得した身体能力の高さはこれまでのディーヴァーのシリーズにはなかった特質で、アクション小説の要素も備えている。また彼が確率論を以て選択肢を想定し、最善の道を選んで行動するのもなかなか面白い。ただその確率は自身の経験値によるところが大きいため、見誤ることもあるがそれも愛嬌。シリーズの主軸となるのが彼の父親の死の謎の真相も興味深い。なぜこのシリーズ、年末ランキングに入らないのか不思議でならない。2025/06/06
future4227
44
懸賞金ハンターのコルター・ショウ、下巻に入って彼の持つサバイバル技術がふんだんに発揮される。とある脱出ゲームを模した誘拐事件だとするコルターの推理に全く耳を貸さずに的外れな捜査を進める警察。人質にリアル脱出ゲームをさせる犯人。一刻を争う救出。痕跡を残さない犯人の追跡、コルターの父親の死の謎、そして恋愛?色んなことが同時並行で進み忙しそう。サッポロビールを飲んでることがわかって、なんか親近感がわいてきた。日本の小説だと普通はビールとしか書かないから、なんか斬新。そして父親の死の謎は深まるばかり。2023/12/30
chiseiok
40
上巻読んでいる時よりかはずいぶんと楽しめたとは思う。けれど、ディーヴァー作品であるが故にどうしても期待してしまう鮮やかなツイスト、今回はそのキレも角度もスピードもイマイチに感じた。新主人公コルター・ショウ、心機一転、リンカーン・ライムと真逆に振ったらどうよ!という作者の趣旨は理解するけれど、そこは下手すると普通のつまんないアメリカン・ヒーローになっちゃいますわな。そこには既にジャック・リーチャーが居ますから…的な。クレイヴン作品読んだ直後ってのも良くなかったかもね。ガッツリはまれなくて済まぬディーヴァー。2024/02/17
しゃお
24
ディーヴァーといえばどんでん返しが代名詞。本書もどんでん返し的な部分はあっても、その様相は控えめでしょうか。あまりどんでん返しを意識しないで読めたのが個人的には良かったです。主人公もですが相棒となるスタンディッシュ刑事など脇役も魅力的でした。サバイバル術を父から叩き込まれていた主人公ですが、その父の死の謎を追い求めているというのがバックグラウンドにあり、それについて今後よりフォーカスされていくようなので楽しみなので、まずは文庫化された二作目を読まないと!2025/01/10
Satoshi
10
ジェフリー・ディーヴァーの新シリーズ。主人公は懸賞金稼ぎの風来坊。父親からサバイバル術を伝授されており、ピンチの際は父親のレッスンをもとに解決する。主人公はリンカーン・ライムやキャサリン・ダンスのように理知的でなく、行き当たりばったりの捜査になるので、ツイストしても驚きは低めかな。ゲーム業界の闇を描いた全体のストーリーは面白かった。主人公の父親の死にはさらに大きな闇がありそう。2025/01/09