内容説明
村上春樹の全作品を読み、また1985年から取材をし続けた文芸記者による、10年間の春樹読解の記録。「わかりそうでわからない」春樹作品にちりばめられた謎を、作品の細部を読み込み、「惑星直列」のようにつなぎ合わせ、解き明かしていく。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
抹茶モナカ
12
図書館にリクエストして、借りて読んだ。BOOK2は比較的最近の村上春樹さんの活動について書いているので、新鮮なところもあった。突飛な感じのする読み込みもなく、わかりやすく感じた。平易な文章とは言え、2段組で500ページは、僕個人の一日の読書時間の少なさもあるけど、読むの大変だった。なんとか図書館の貸し出し期間中に読めた。2022/06/04
はむ
0
軽薄で、ポルノ的で、現実離れしたファンタジー。そんなステレオタイプを村上春樹作品は今も昔も背負わされている。 しかし、村上春樹は、『風の歌を聴け』から『一人称単数』まで、不断に「歴史意識」を問題とし、「効率」を重視する社会に疑心を抱き続けている。 そのような「読み」を続けてきた筆者による村上春樹作品の解説・批評である。 ただ個人的には、頻出する「四」=「死」とする読みは馬鹿馬鹿しく感じた。四国=死国て。。。2023/07/18