内容説明
清の第十七皇子・愛新覚羅永リンお抱えのガオ點師として北京で働く仏華ハーフのマリー。乾隆帝から嘉慶帝へと譲位がなされ、主人の永リンも群王へ昇格。お抱えの洋式ガオ點師として地位も待遇も安泰に思われたが、様々な方向から人生の難題が降りかかる。半華半欧のマリーにとっての居場所とは、幸せとは。激動の人生が辿り着く終着点に涙。波乱に満ち溢れた清国パティシエライフ、感動のフィナーレ!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
43
完結編です。マリーの日々はどうだったのだろうかと考えさせられました。居場所とは、幸せとは。激動の人生がたどりつく瞬間は大団円とは言えないけれど、色々経験することによる成長の証はその時々で刻まれているのは間違いないでしょう。2023/09/16
よっち
36
乾隆帝から嘉慶帝へと譲位がなされ、永璘も群王へ昇格。お抱えの洋式糕點師として地位も待遇も安泰に思われた彼女に、様々な方向から人生の難題が降りかかる第八弾。乾隆帝の譲位による自身にとっては平穏な日々、その崩御からの変化と郡王妃薨去。今の境遇の幸せを噛み締めながらもどうしても諦めきれなかった想い。そのまま生きるという選択肢もある中、自らがどう生きるべきか葛藤しながら真摯に向き合ったマリーの決断はまさに波乱万丈で、正直こんな展開が待っているとは思いませんでしたが、ある意味とても彼女らしい結末だったと思いました。2023/08/08
kagetrasama-aoi(葵・橘)
27
「親王殿下のパティシエール」第八巻。副題は『パリの糕點師』。2023/10/19
はなりん
23
完結巻。マリーの波瀾万丈の人生が幕を閉じました。最終巻にして、どんどん時間が早回しで過ぎていき、ついていくのにやっとな感じでした。表題は回収したけど、ハッピーエンドではなかったので、スッキリしない。この時代でしかもハーフの女の子なので仕方ないのかもですが、誰一人として幸せになった人が描かれていない笑。やっぱりハッピーエンドの話がいいなぁって思いました。2024/04/28
ぽてちゅう
20
平置きの本から飛び込んでくる情報に「?」連発!最後のお菓子?“親王”府承認の旗?船上のマリー?どーゆーこと??二つの文化と信仰の狭間で心揺らぎ、年を重ねる仏華ハーフのマリー。故国フランスへの郷愁。国家資格のパティシエールを望むも、そこには父母も恋人もなく。清国での安穏な生活。よき理解者と技能を評価してくれる仲間のいる職場で、自称パティシエールであることへの疑問。そして、永璘への偽らざる気持ち。自分の生きる道を自分の意思で選んでいくマリーの姿を描く最終巻。己の心のままに!慶親王殿下のパティシエール・マリー。2023/08/12