歩かなくても棒に当たる

著者名：安藤奎【著】

白水社（2025/07発売）

• ISBN：9784560091791

内容説明

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ホラー風味のシチュエーション・コメディ
マンションのゴミ集積所に、「ルール」が暴走する！　恐ろしいほど笑える、シチュエーション・コメディ。『地上の骨』を併録。【第69回岸田國士戯曲賞受賞作】

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[メタボン]

☆☆☆☆　唐突に理屈っぽく差し挟まれる会話や、不条理で怒涛の展開が、独特で面白い戯曲。やはり演劇で鑑賞するのが一番だが、読んでもその面白さは伝わってくる。筒井康隆テイストもある。表題作はマンションのゴミ捨て場を舞台に、ゴミ捨て場に取り憑いたサナエと、ゴミを捨てに来た主婦たちとのドタバタなやり取りが面白い。「地上の骨」はオフィスで残業している社員達のやり取りの中で、イワシの佃煮を食べて魚になっていくというシュールな展開が印象的。

2025/07/15

[jolly]

また戯曲集。ちょっと前に読んだのと同時受賞で同じ時期に出版されてたんですね。こっちはまだわかりやすくてよかった。こっちを観たい。やっと雨が降った。よかった。

2025/08/05

[ともぞー]

シチュエーション・コメディの戯曲が2作品。どちらも、想像を超えたエキセントリックな展開が進んでゆく。こういったいわゆる台本に接する機会は少ないが、本作は会話だけで動きのある映像が浮かび上がってきた。さすがは岸田國士戯曲賞、実際の公演も見てみたくなった。あと、あとがきにある公園最終日の不思議な出来事は気になります。

2025/08/09

[天然素材]

★★★☆☆（3） 第69回岸田國士戯曲賞受賞作品。「歩かなくても棒に当たる」は、マンションのゴミ集積所で、女性たちの「ルール」の暴走がはじまる。「地上の骨」は、「イワシの佃煮」から話が展開していく。本は、台本仕立てに描かれています。演劇で見たら、面白いんだろうなと。

2025/07/21

[読書家おげんさん]

舞台は見ることが出来なく、戯曲を出版されたので購入しました。 ゴミ出しの小さなトラブルから、物語がどんどん非日常に転がっていく展開がクセになる。張り巡らされた伏線と会話劇の妙に唸る一作。安藤奎の筆致が光る舞台戯曲。

2025/06/01