岩波文庫<br> 源氏物語(八) 早蕨-浮舟

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岩波文庫
源氏物語(八) 早蕨-浮舟

  • ISBN:9784003510223

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内容説明

「まろは,いかで死なばや」.亡き大君を思うあまり,妹の中君に思いを寄せる薫.そこへ大君に瓜二つの異母妹・浮舟が出現する.浮舟を宇治に迎える薫と,薫の想い人と知りながら強引に割り込む匂宮,それぞれの求愛.二人の板挟みに耐えかねた浮舟は,ついに宇治川への入水を決意する──.早蕨から浮舟の四帖を収録.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.

目次

凡 例
早蕨(さわらび)
宿木(やどりぎ)
東屋(あづまや)
浮舟(うきふね)
付 図
解 説 舞台はなぜ宇治になったか………今西祐一郎

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

NAO

71
早蕨から浮舟まで。中の君も浮舟も匂宮のもとへ。同じ光源氏の流れを引きながらも正当な孫である匂宮と不義の子薫では格が違うということか。匂宮の邪気のなさは、源氏譲りだろうか。それに比べて薫はあれこれ画策しすぎだし、下心も透けて見える。それは、父親の血かもしれないし、友人とはいいながら身分の違う匂宮へのコンプレックスや嫉妬から来るものでもあるのだろう。2020/12/31

藤月はな(灯れ松明の火)

67
匂宮と結婚して懐妊するも薫に付き纏われる中宮は異母妹である浮舟を紹介する。「そりゃ、今一番、大変な時に自分の姉の面影を見出すだけのストーカーに付き纏われてもな」と思うもそれが浮舟に悲劇を招く。冷静に詰問する薫に初めて「怖い」と思いました。今回の解説も見所の一つです。今巻、夕霧が宮中の権威を固める為に娘と薫の婚姻を画策するという部分がありますがそこから宇治十帖の作者が藤原道長の可能性があるとは思いもしなかった!確かに『紫式部日記』で「道長様に源氏物語を持って行かれた!どうすれば!?」という記述があったしな…2021/02/08

syaori

55
早蕨~浮舟。大君の死を受け、その面影を求める薫と大君の妹の中君、その夫の匂宮を中心に展開していた物語は、中君の異母妹・浮舟の登場で彼女の物語へ収斂してゆきます。この浮舟物語の緊張感は、父・親王に認知されなかった彼女の身分と、薫も匂も源氏に及ばない人間であることが関係しているように感じます。薫は身分の低い彼女との関係に慎重で、匂には光源氏のような心長さを期待できず、継父の元にも身の置き所のない、儚い身の上の彼女が、母の期待と自分の心と二人の男性の間で思い乱れる様には胸が傷みました。嘆く浮舟を追って最終巻へ。2021/04/26

金吾

27
浮舟が登場します。他の登場人物に比し、フラフラしており浮舟の名前にも納得します。相変わらずの薫と匂宮のもて争いはなかなかです。薫の少し病んでるのかなと思える部分は現代と変わらないように感じました。2024/01/05

tsu55

20
早蕨から浮舟まで。 数多くの女性が登場する源氏物語の中でも異色のヒロインと言っていいだろう、浮舟の登場。 この人、父親から認知されなかったということが原因なのだろうか、自己肯定感がやたらと低い。そして彼女を取り巻くのは、階級上昇をもくろむ母親、大君の幻影を追い続ける薫、熱情にかられて前後の見境がつかない匂宮。こんな人たちに囲まれていながら、はっきりと自己を主張できないなんて……。幸せになれるはずがない。2021/05/12

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