内容説明
周囲の厳しい目にも負けず信念を貫き生き抜いた10人の女性作家(与謝野晶子・宇野千代・瀬戸内寂聴・樋口一葉・円地文子・向田邦子・有吉佐和子・林芙美子・森茉莉・幸田文)たち。自らをさらけ出した作品は、今も色褪せることなく現代に生きる私たちの心に訴えかける。日本人以上に日本の文学を愛してやまないイタリア人女性が、日本を代表する近現代の女性作家が紡ぎ出した作品と各人の生きざまをひもとくことで、新たな視点で文学へ誘う一書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
94
日本文学を深く理解し、軽妙な文章でその魅力を綴るディオニシオさんのファンである。今回取り上げたのは十人の女流作家:与謝野晶子/宇野千代/瀬戸内寂聴/樋口一葉/円地文子/向田邦子/有吉佐和子/林芙美子/森茉莉/幸田文…私個人の好悪を言えば、好き5人、嫌い2人、大嫌い3人。好き嫌いを、作品でするか人格でするかは難しい。著者は、私生活を理由に作品を貶めることも、作品の内容が私生活だと色眼鏡で見ることも絶対にしないという姿勢を保ちつつ、人と作品の両面から、女性差別の文壇を生きた作家たちを見事に描いている。面白い。2025/06/28
uniemo
19
イタリアの方がここまで日本の女性作家の魅力をわかりやすく語っているのが面白かった。どの作家さんも1冊ぐらいは読んだことがある方でしたが特に有吉佐和子さんの本は全部読んでいることに気づき、母が好きで実家の本棚に揃っていたことを懐かしく思い出しました。2023/11/23
どら猫さとっち
6
与謝野晶子、樋口一葉から、向田邦子に有吉佐和子や瀬戸内寂聴まで、恋に生き、仕事を人生の伴侶とし、我が道を歩んだ女性作家たちの人生を、イタリア人の日本文学者がヴィヴィッドに描き出す評伝エッセイ。家族、恋愛、人生観…。その悩みや壁から生まれ出た、文学の数々。今読んでも、魅力が色褪せない理由が、ここにある。イサベラさん、本書でも見事な文章力と指摘力。2023/11/16
冬峰
5
与謝野晶子、宇野千代、瀬戸内寂聴、樋口一葉、円地文子、向田邦子、有吉佐和子、林芙美子、森茉莉、幸田文。今より女がしんどい時代、文章によって自分というものを打ち立てた彼女たちを、イタリア人女性が熱く語る。少しテンション高めで楽しく読める。…が、なんとここに挙げられた10人、自分はほとんど読んだことがないのであった…。森茉莉が短編集1冊でギリギリ読んだといえるか?むしろなんで著者はこの人たち読もうと思ったんだ?きっかけは何だ?と違うことが気になり出す。まあそれは著者がいずれ別の本で語るのでしょう。2024/03/15
一柳すず子
4
作家と作品に対する愛がすごい。読みやすいしそれぞれの作品に興味を持った。いろいろ読んでみようかなー。2025/04/30