内容説明
壮大な物語が、はじまる。
文庫オリジナル書下ろし
古代和風ファンタジー
真っ赤な炎が目に入る。
ここは、どこ――。
大学生の真織は、どこか神社のような暗がりのなかで、“その少年”に出逢う。
生き神としてまつられる神王・玉響に。
「これぞファンタジー。とにかく面白かった」(書店員)
「情景描写が優れていて、非現実的な世界が想像しやすい」(図書館員)
父母を亡くした二十歳の大学生・真織は、ふしぎな光に誘われ、春夏秋冬の豊かな森にのびた真っ白な道を通りぬける。
真っ赤な炎と袴姿の少年。
神社の境内のような場所で“何か”が行われている。
「誰かいるのか?」と呼ぶ声が――。
いま、壮大な物語の幕が上がる。
古代和風ファンタジー、登場!
〈文庫書下ろし〉
目次
杜ノ国の神隠し 目次
ー忌火ー
ー神王ー
ー水ノ宮ー
ー命と水ー
ー狩りの女神ー
ー豊穣の風ー
ー神憑きの森ー
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
250
母の葬儀を終えたばかりの大学生のヒロイン・真織(まおり)は突然、神社のような場所で覚醒する。古代日本のような異世界にいきなり放り込まれ、持っていたスマホは常に圏外で電気が無いので充電も不可で役立たずの中で出会った人々にこの世界のルールを教わりながら徐々に順応していくのだった。まあ理由は一切不明ながらも昔の不便な世界で健気に頑張って人々に溶け込んで生きる真織の体当たりの奮闘ぶりが素敵ですね。そして信じられない驚異の能力の数々と彼女の真面目さと優しさに頁を繰る手が止まりませんでした。傑作古代ファンタジーです。2023/09/22
はつばあば
45
読み友さんの「古代ファンタジー」というレビューに釣られて(#^.^#)。20歳の真織は母を亡くし天涯孤独となった悲しみから、突然知らない時代・・でも昔神隠しにあった時に来た覚えのあるところに迷い込んだ事から始まります。この話ハマスとイスラエルの首相に読ませたい。「神は神、人は人。人は神に支配される必要はない」と。宗教ってものは恐ろしい。何もかもに神宿ると日本古来の山や川の神様から八百万の神々の方がまだ救いがあるように思う2023/10/30
よっち
35
父母を亡くし、不思議な光に誘われて豊かな森にのびる真っ白な道を通りぬけた二十歳の大学生・真織。どこか神社のような暗がりの中で、生き神としてまつられる神王・玉響に出会う古代和風ファンタンジー。真っ赤な炎と袴姿の少年との運命の出会い。そこに忍び込んでいた千鹿斗に救われ、杜ノ国における神事を司る水ノ宮と千紗杜を始めとする郷の関係を知ってゆく真織。彼女を追ってやってきた神王・玉響の存在。奇妙な縁で結ばれてしまった二人が、十年に一度行われる御種祭の宿命を乗り越えるために一緒に立ち向かう展開はなかなか良かったですね。2023/09/15
パンダCRZ
30
以前読んだ「雲神様の箱」シリーズの作者の新シリーズ。和風ファンタジー。杜ノ国に迷い込んだ真織、そこで出会った神王という呼ばれる少年・玉響、千紗杜郷の若きリーダー千鹿斗、謎の存在・女神。まだまだ物語の序章といった感じ。2024/01/11
まる子
26
4年前に父を亡くし、4日前に母を亡くした真織(20才)がきづくと「ここは?あなたは?」だった。なぜ杜ノ国に来たのか(タイムリープ?)全くわからない。けれど、それはこの国において神官である玉響(たまゆら)に会い、水ノ宮の女神が吹かせる豊穣の風に出会うだめだったのでは…。自分も玉響も友だちであるなら「変わるものと変わらないもの、そこにある違いとはなんなのか」。風の先て見た父と母は「自分を好きでいること。それだけでいい」と。真織はこの先どこへ。差し出された友の両手の先を掴むのか?続編ありそうな和風ファンタジー✨2023/10/22