三人の女 上 - 二〇世紀の春

個数:1
紙書籍版価格
¥2,640
  • 電子書籍

三人の女 上 - 二〇世紀の春

  • ISBN:9784910276083

ファイル: /

内容説明

韓国で4万部のベストセラー。
1920年代から50年代にかけての朝鮮独立運動・共産主義運動を女たちの視点から、女性作家が描き出す骨太の長編歴史小説を格調高い翻訳でお送りします。
植民地下の朝鮮で青春をともにした三人の女たち、許貞淑(ホ・ジョンスク)、朱世竹(チュ・セジュク)、高明子(コ・ミョンジャ)と、彼女たちの周辺の、朴憲永(パク・ホニョン)や呂運亨(ヨ・ウニョン)、金日成(キム・イルソン)など歴史に名を残した男たちがいきいきと描かれます。
戦時下のソウル、粛清の嵐吹き荒れる平壌、そして愛する娘が暮らすモスクワ――朝鮮共産主義運動史と生涯をともにし、それぞれの終着駅にたどり着いた三人の女たちの物語。
優れた文学作品にして東アジア近現代史、そしてフェミニズムの新たな必読書です。
佐藤優(作家・元外務省主任分析官)解説。
許貞淑が八路軍の政治指導員として太行山へと行軍していた1939年、親友の朱世竹はカザフスタン・クズロルダの流刑地で命をつないでいた。いっぽう転向書を書かされ、京城で静かに暮らしていた高明子のもとにある日、親日雑誌『東洋之光』の社長が訪れ……。
近現代史とフェミニズムの新たな必読書、女性作家による韓国ベストセラー歴史小説完結編。

目次

主な登場人物 
日本の読者の皆さんへ 
プロローグ 1991年ソウル 
第1章 夫婦になって無産者階級の解放に生涯を捧げることを誓いますか …1920年 上海 
第2章 手芸の時間にトルストイを読んでいました …1924年 京城 
第3章 清料理店の共産党、新婚部屋の青年同盟 …1925年 京城 
第4章 死の陰鬱な谷を越えるとき …1927年 京城 
第5章 ついに革命の心臓に到着する …1928年 モスクワ 
第6章 資本主義世界の終焉は遠くない …1929年 京城 
第7章 一緒に暮らすしかない状況だった …1932年 上海、モスクワ 
第8章 行くとて悲しむな、私の愛する韓半島よ …1935年 京城 
第9章 ここがあなた方の終着駅だ …1936年 モスクワ、クズロルダ 
10章 日本の兄弟たちよ、君の上官に銃口を向けよ …1938年 武漢、延安 
上巻年表

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

チェアー

6
朝鮮は国だけでなく、民族の解放を願い、行動する人々の居場所さえ奪っていった。上海、満州、ロシア。人々の妬みや裏切りたちがかき回され、混ざり合って、大きな魂となって、彼女たちに飛んでくる。ごく普通に生きたいのと願うだけの人に、普通でない状況と、お前たちを普通でなくしてやるという思いが、味方であるはずの後ろからも飛んでくるのだ。2023/12/03

Red-sky

3
正直、登場人物全員の関係性は覚えられないし、時々誰と誰が夫婦なんだかわからなくなる時もあるけれど、激動の時代に革命に命を注いだ3人の女性(+その夫や父親などの男性陣)の動きには目が離せずちょっとずつではあるけれど興味を持って読み進めることができた。下巻も楽しみ。もっとこの本が理解できるように歴史も勉強したいと思った。2025/03/17

0
苛烈な植民地の中でマルクスを信じ、革命に命をかけて生きる女3人。歴史に煌めく登場人物たちの横に、前に、後ろに、いつも彼女たちの存在があった。2025/04/16

ファルコファン

0
朝鮮の近現代史を女性活動家の視点から学んだ。三一独立運動後にいっしょに写真を撮った三人の共産主義女性活動家、朱世竹、許貞淑、高明子の人生を描く。同じことをめざしていたはずなのに、亡くなった場所も時代もそれぞれ。「我々は結局、アメリカを発見できなかったコロンブスだった」が悲しい。2024/09/19

kuronyann

0
 戦前、日本で共産党員として活動し若い死を迎えた女性の事は聞いたことがあるが朝鮮での女性党員のことはこの本で初めて知った。上巻を読み終えたところなので作品を読み切った満足感はない。「実存した人物たちを扱っている」(7頁)とのことだがよく調べたものと感心する。ここまでは事柄の羅列状態なので下巻に期待したい。2024/04/23

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/21499254
  • ご注意事項

最近チェックした商品

 

同じシリーズの商品一覧

該当件数2件 全てにチェックを入れる/全てにチェックをはずす