内容説明
学生はワンコインで食べられる夜食専門店。痩せて可愛くなりたい若葉、何を食べてもおいしくない学年トップの小春、オーガニック料理だけで育った凌真......。悲しみや寂しさを少しずつ消化できるように、店主の朝日さんは愛情を込めた一皿をつくる。孤独な心に力が満ちて、止まっていた時間が動き出す。世界一優しいお夜食で再生していく感動作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Karl Heintz Schneider
32
「この世でいちばんあったかくて優しい食事は夜食だと思うから。」お夜食処あさひの営業時間は朝8時から夜10時。開店時間と閉店時間が逆じゃない?と思うが、この店には、そんな店主・朝日の想いが込められていた。高架下商店街の狭い路地にあるその店の看板は普通に歩いていたら見落としてしまいそうなほど小さい。この店の存在に気づいて扉をくぐる人は、お夜食を必要としているのかもしれない「そんな思いを抱えて店を訪れる4人の物語。第5話にだけは店主の想いが綴られている。2023/10/18
あやな
18
汐見さんらしい、心に寄り添うような優しい1冊だった。日々勉強に追われる小春、体型がコンプレックスの若葉、オーガニック料理しか食べたことがない淩真。登場人物たちが抱える悩みは予想以上に重く辛いものだったが、お夜食屋を営む朝日さんの料理と言葉をきっかけに、前を向いて進んでゆく姿に感動した。来年発売される続編が楽しみ😊 「問題が解決しなくても、葛藤を抱えたままでも、それはそれとして、自分の人生を前を向いて歩む。それができれば上等だよ。」2023/10/08
りこ
14
優しい話でした。料理は人を元気にしてくれる。2023/10/03
Ayakankoku
11
とても優しい小説。食べることってこんなに愛が詰まっていて、こんなに優しいんだ。2024年春の新刊が待ち通しい。2023/09/27
じお
10
★★★☆☆ 受験を失敗し父親からは責められ、学校にも家にも居場所がなく辛い毎日を送っていた小春はある日塾の帰り道、些細な切っ掛けから夜食専門店の店主・朝日に食事を勧められる、タイトルの意味が結局よくわからんお夜食再生物語。まずまず、文章、ストーリーなどとても読みやすく、ゴツい本読む間の小休止にちょうどいい感じ、ご飯ものというほど食べ物への造詣の深さを感じられはしないものの、その分優しさがこもっているような内容が柔らかな印象を受け良かったです、→2024/04/17