内容説明
「ねぇ。しばらく私の代わりに学校行ってくれない?」
不気味なくらいに優しい素直の言葉が、私を惑わせる。オリジナルがやりたくないことを押し付ける身代わり、〈レプリカ〉には、手に入るはずもなかったもの。“ふつう”の学校生活を送る日々が訪れた。
文芸部の廃部の危機を救うため、奔走して。アキくんとの距離も、縮まって。そして――。
「ナオちゃん。わたしを見つけてくれて、ありがとう」
秋。私の好きな人と同じ名前をした季節に、忘れられない出会いをした。
第29回電撃小説大賞《大賞》を受賞した、純度100%の青春ラブストーリー。切なく胸を打つ第2巻。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
66
部誌が売れなければ、文芸部が廃部に? いきなりの事態にナオは動揺するが、りっちゃんはなぜか熱く燃える。困るのを楽しめるタイプの人って、やっぱりいるんだ。2巻目は文化祭の時間で、学園ものはやはり盛り上がる。読みながら、ページをめくるのがもどかしいほど、ついつい速く読んでしまった。前生徒会長の森すずみ、前副会長の望月隼の先輩ふたりがナオたちに接近してくる。そこに謎の……。うんと泣ける。物語の設定を生かすとこんなにもドラマチックなラストになるのかと。ナオの心はどんなに揺れているだろう。レプリカ以前に人間として。2023/11/07
よっち
42
素直の提案でしばらく学校に通うことになったナオ。しかし文芸部は廃部危機に陥り、回避するために秋の文化祭に向けて演劇部と合同でかぐや姫を演じることになる第二弾。屋上からばらまかれた「この学校にはドッペルゲンガーがいる」という不穏なチラシ。元生徒会長の森先輩から提案された文化祭で部誌百冊販売という実績作り。彼女も所属する演劇部での合同演劇開催。普通に学校生活を送ってアキとデートしたり文化祭を満喫する一方で、思わぬ出会いもあって、背景を知ってしまったからこそ余計に衝撃的な幕切れで、今後が気になる結末でしたね…。2023/07/09
なみ
31
文芸部が廃部の危機になり、ナオたちが頑張るシリーズ第2弾。 ナオとアキのデートシーンや元生徒会の幼馴染みがすごくキラキラしていて、青春ラブコメの波動をひしひしと感じました。ごちそうさまです。 終盤のの展開もよかったです。 胸が熱くなりました。2023/08/07
starly
29
舞台は静岡。青春の1ページを綴る秋の文化祭。レプリカ同士のナオとアキ。レプリカでも個としての感情を持ち合わせており互いに近付く距離。甘酸っぱい青春物語であり、出会いと別れ。幸せに包まれていた空間がパァンッと風船が弾けてしまうような何の前触れもなく突如消えてしまう…何だか今までの事が幻でも見ていたかのような惚けてしまう感覚に陥ってしまった。切なく胸を打つ第2巻。2023/09/28
assam2005
22
レプリカが身代わりとしてではなく、自分だけの日常を過ごしたとしたら、その先に訪れるのは幸せでしょうか?絶望でしょうか?文芸部の廃部の危機を救うため、本物に代わり、レプリカ・ナオが毎日奮闘する。今まで体験できなかった青春を体感し、忘れられないキラキラした日常を楽しむナオ。そして、レプリカ最大の危機を目のあたりにする。初めての彼氏と過ごす日常のドキドキ。手をつなぎ、文化祭を一緒に回る。一緒に笑い、一緒に悩み、一緒に喜ぶ。この幸せがずっと続きますようにと思えば思うほど切なくて、切なくて、胸が痛い。2024/03/04