文春文庫<br> 信長の正体

個数:1
紙書籍版価格
¥792
  • 電子書籍
  • Reader
  • ポイントキャンペーン

文春文庫
信長の正体

  • 著者名:本郷和人【著】
  • 価格 ¥790(本体¥719)
  • 文藝春秋(2023/07発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 210pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784167920722

ファイル: /

内容説明

ヒーローか、それとも普通の大名か?

なぜ信長の出現によって戦国時代が終わりを告げたのか?歴史上類を見ない比叡山での大虐殺は他の武将による侵略と何が異なったのか、「天下武布」の判子が秘めた武士たちへの絶大な力とは──
織田信長の行動から「時代が求めたもの」が見えてくる。
革命的ヒーローか、凡庸な大名か。人気武将がゆえに頻出する信長研究に対し、東大の人気歴史学者が本気で答えを出すエキサイティングな書。文庫あとがき付。

※この電子書籍は2019年にトランスビューより刊行された『信長「歴史的人間」とは何か』を改題し刊行した文春文庫を底本としています。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

こばまり

44
日頃、付け焼き刃のままの己の知識が少しでも補完されればいいとの思いでいるので、この手の本は何を読んでも感激してしまう傾向にはあるのだが、とても面白かったし腑に落ちた。さらに知りたいことが芋づる式に増えた。2023/07/29

coldsurgeon

5
歴史のとらえ方は、日本ではどうも歪らしい。明治時代以降の皇国史観が基礎づけられ、戦後、唯物史観が席巻したが、世界的にみて妙なとらえ方を多くの人がしているらしい。歴史的人間という言葉を考え、社会的に重大な要請を求められる人間であり、それに応じて社会的にインパクトのあることを成し遂げた人間であり、必ずしも英雄ではない。個人の特異性ではなく、時代と地政学的な場所が人に影響したとき、それに大きく反応できたのが、戦国時代を終わらせた信長ということだろう。2023/09/01

すうさん

5
本郷和人の書下し文庫。織田信長を宗教、土地、軍事、国家社会の観点から分かり易く論じている。通説となる信長像だけでなくそれへの反論も含めそれらの説を唱えた歴史学者の実名も上げて論じているところに本郷の学者としての誠意を感じる。大河ドラマのように主人公に感情移入することなく史実を読み解く。更に史実の実証だけでなく社会の下部層を科学的に考証し論理を重んじて歴史像を復元する。そのうえで社会の生産構造を踏まえ上部構造の人間の歴史を解説している。人が歴史を作るのではなく歴史こそが(歴史的)人間を作るというのだ。絶賛。2023/07/24

ほっちょる

2
『信長の正体』というタイトルを見て、信長の生涯を細かく考察する内容を予想した読者は期待外れだったかもしれない。しかし、信長という人間を生み出した背景について、宗教や土地、軍事、国家などの社会構造から炙り出そうという試みは、信長個人の英雄譚的な記述よりも、歴史を考える上では有効であろう。信長自身の才覚が歴史を変えたというより、歴史が変化を求めた時に出現し、その要請に見事に応えたのが、信長だったということだろう。それにしても、荘園を含む土地制度についての記述は、これまで読んだどんな概説よりもわかりやすかった。2023/08/19

からくり

1
歴史に名を残す偉人とは、その人が生きた時代の社会構造から来る要請をうまく体現することができた人間である。信長については、『卓越した信長の個性が時代を作ったと考えるのではなく、戦国時代に生きた人たちが欲していたことに信長が応えたからこそ、時代を転換することができたのだ。信長を産み出したのは、他ならぬ戦国の世に生きた人々だった』ということ。社会の要請に応える人が出てくるのは必然であり、それにたまたま応えたのが信長だった。現代で言えば、社会課題やニーズをうまく汲み取った企業が成功するようなものかもしれない。2023/08/14

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/21287222
  • ご注意事項