内容説明
一人っきりのキリマンジャロ最高峰、ペルー悪徳警官の罠、エチオピアの極寒の山で出会った人の温かさ、ドイツ留学生活……地理学者である著者が、アフリカ、南米、ヨーロッパなど世界各地の自然・文化を解説し、さまざまなトラブルや人々との印象的な出会いを綴る悪戦苦闘の調査旅行記。
目次
文庫版はじめに/第一部 アフリカ・南米を行く/初めての海外調査はこんなものだった──一九九二年ケニア・タンザニア調査/アフリカの次は南米へ──一九九三年ボリビア・ペルー調査/再びアフリカに──一九九四年ケニア・エチオピア調査/ケニアからウガンダへ──一九九六年ケニア・タンザニア・ウガンダ調査/氷河から新たな発見──一九九七年ケニア・ウガンダ調査/第二部 ドイツに滞在する/ドイツでの在外研究──一九九九年一〇月~二〇〇〇年七月/第三部 その後の世界/ケニア・タンザニア・エチオピアのその後三〇年/これまでの海外調査で明らかになったこと/南米調査で明らかになったこと/一二年ぶりにドイツに住む/文庫版あとがき/解説 都留泰作/引用・参考文献
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雲をみるひと
24
地理学者によるフィールドワーク先のアフリカや南米、および短期留学などで訪れたドイツ滞在期。90年代前半が舞台だが、文庫本版には最近の様子も増補して収録されている。ケニア山での氷河の減少と湧水の減少などフィールドワークの成果にも触れられているが、全体的にそれほど専門的でなく読みやすい構成になっている。気温上昇などの自然現象や社会の変化によるここ30年間の変化にも触れられていて興味深い。2023/06/25
lily
15
自然地理学者である著者がアフリカ・南米・ドイツなどて植生研究を行いながら地方の食事や出会いに触れていく紀行文。とにかくバイタリティ溢れる行動で御歳60を超えてなお地図帳を見てワクワクするあたり、なんというか羨ましい。専門的な記述は若干飛ばし読みしたが、地理学への情熱が伝わる一冊。①アフリカ大地溝帯には地下深部から熱供給があり、火山が多い。フォッサマグナと同じ理屈。②インディオではなくインディヘナ。③農作物は原産地が最も美味しい(らしい)。2024/05/06
藤井宏
8
植生地理学を専門とする著者がフィールド研究のために訪れた海外の国々での調査旅行の様子をエッセイにしたもの。ふだんあまり触れない南米やアフリカの国のことが書かれていて面白かったです。大人になると時が経つのが速くなるが、まわりのことが当たり前になって新鮮味がないから。海外に出ると子供と同じようにすべてが新鮮で人生が豊かに過ごす意味で海外に出かけることは非常に有意義と著者は説く。高山で植生を研究するのにいつも高山病で苦しんでおられたようで、それはお気の毒でした。2023/03/05
huchang
4
院生連れてったあたりから、人手があるせいか、人を気遣う体力を残しとかないとアカンかったからか、少々筆致が変わる。生きてりゃ勝手に歳下の人間が出てくるものだが、歳にふさわしい配慮ができるかどうかはまた別の話やんなあ…と我が身を振り返る。個人的には一人で見たいもののために猪突猛進する前半のくだりも大好き。冒険記でありながら、専門分野も分かりやすく解説してあり、ひと粒で何度も美味しい一冊。2025/01/25
りーすひぇん
3
植生地理学を専門とする著者の海外でのフィールドワーク体験談。どんなことを研究して、植生地理がなんたるかを綴っているのかと思いきや、ほとんど旅エッセイの方が近いかな。研究結果をまとめている章もあるけど。それでもケニアやキリマンジャロ、アンデスの地での滞在体験談は面白かった。2024/07/28
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