内容説明
米米CLUBやBIG HORNS BEEで「フラッシュ金子」として活躍する一方、アーティストや映像作品などへの楽曲提供を数多く行い、指揮者としても活動する金子隆博。2021年度下期のNHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』では音楽を担当し、その幅広い音楽性により、一躍注目を集めました。
『カムカムエヴリバディ』の物語の核となっていたのが、2代目ヒロイン・るい(深津絵里)の夫で、原因不明の病でトランペット奏者としての夢を諦めざるをえなかったジョー(オダギリジョー)の再生です。2006年、42歳のときに「職業性ジストニア」を発症した金子氏は、突然サックスを吹くことができなくなり、その原因を突きとめるまでに4年を要しました。しかし発症してから、金子氏はキーボード奏者としての再生をめざしてピアノを猛練習し、やがて自らのバンドでその腕を披露するまでとなりました。金子氏はジョーのモデルになったとも言われています。
本書は、幼少期からこれまでの人生の軌跡、音楽や仲間との出会いのエピソードを紹介しながら、金子氏が「日向の道」をどう歩いてきたのか、その過程と今後を綴る初のエッセイです。『カムカムエヴリバディ』のドラマ演出を担当した安達もじり氏との対談、『連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」オリジナル・サウンドトラック ジャズ・コレクション』のセルフ・ライナーノーツ、自身のバイオグラフィも収録する充実の内容となっています。
【著者からのコメント】
この本は、音楽ファンの方々だけでなく、僕と同じ「職業性ジストニア」を抱えた方々に読んでもらいたくて書いたものでもあります。自分の愛する楽器を演奏することができなくなり、絶望し、苦悩している多くの方々がいます(スポーツも同じく)。この本は、決して「病気を克服し再生するテキスト」ではありません。あくまで一例として面白く読んでもらいたいと思いますし、同じ絶望感を味わった僕自身を知ってもらうことで、何かしら感じてもらえるのではないかと思います。そのために「できるだけ赤裸々に自分のことを記したほうが良い」―そんな思いで筆を取るに至りました。
目次
はじめに
Prologue 苦手なことは、現場で教わった
コマラジ――五十の手習い
1 音楽の窓――僕が音楽と出会うまで
日曜の朝の父親DJ/ルーツは大阪と茨城/平井出先生のウッドベース/水泳部(軽音部)/サックスとの出会い 日大習志野高校吹奏楽部/日大リズム・ソサエティ・オーケストラ/一九八三年、二十歳前夜
2 サックスで歌う
目黒鹿鳴館の三日目/米米CLUBとBIG HORNS BEE/カラフルなサウンド/マリオよりもレコーディング/面白いもの中毒/ユートピアとしてのニューオーリンズ/ニューオーリンズのお葬式
3 サックスから鍵盤へ
夏の日の渋谷・ヤマハの試奏室/バンドと妻と、ジョーとるい/始まりはニューオーリンズピアノ/ピアノがくれたギフト/あこがれのサウンドトラック
4 カムカムエヴリバディ
一九六〇年代へのタイムトラベル/スペシャル対談 安達もじり(『カムカムエヴリバディ』チーフ演出)×金子隆博 なにかに対して最善を尽くすということ/セルフ・ライナーノーツ
5 日向(ひなた)の道の歩き方
ミュージカル、演劇、米米イズム/尊敬する人/ライバル/レジェンド/本当に影響を受けたのはビートルズではなく、愛すべき友人たちだった/もの作りを楽しむ/シューク・フラッシュ!/日向の道をまっすぐ行こう
Epilogue バイオグラフィ
おわりに 再生の物語
感想・レビュー
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今庄和恵@マチカドホケン室コネクトロン
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