内容説明
最凶の女帝、不幸を呼ぶ少年の養母になる!
「跪いて私の靴を舐めなさい」
大陸に君臨する大帝国・斎の女帝、李紅蘭。彼女は先帝の跡継ぎだった兄を次々と弑し、政敵の首を刎ね、利用した臣下を粛清し、己の立場を盤石のものとして玉座に就いた。さて、その極悪女帝は、ふた月ほど前に結婚した。相手は斎の属国・脩国の王子、王龍淵。大陸一の美貌を誇るこの男は、誰よりも紅蘭を憎み、彼女を殺したい一念で生きている。それを承知の上で紅蘭は龍淵をそばに置き、愛でているという謎の夫婦関係なのだった。
そんな奇妙なふたりが、十歳の少年の父母になることになった。紅蘭の兄の息子――つまり甥っ子の白悠を、このたび正式に養子にすることにしたのだ。しかし、噂によれば白悠は「不幸を呼ぶ少年」らしい。曰く、周囲の人間が不可解な死を遂げたり、怪我を負ったりという不幸が続いた。もしその「不幸」が怨霊の仕業なら、紅蘭のもとには「そういうもの」が見えて対処可能な龍淵がいるので、あえて養子に迎え、不幸の連鎖を断ち切ろうというのだが……。関係が複雑すぎる最強ステップファミリーは、果たして問題を解決し、幸せを掴むことができるのか? 破天荒な中華ファンタジー、第2弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
るぴん
34
シリーズ2作目。やっぱり紅蘭は極悪女帝ではないよなぁ。敵には容赦ないけど味方にはとことん優しいし。メンタル最強の紅蘭。彼女を殺したいけど一緒にいると安心するという面倒臭い夫・龍淵。この夫婦が養子に迎えたのは、「不幸を呼ぶ少年」という曰くつきの甥っ子・白悠。彼もまた色々と拗らせていて厄介だけど、素の性格は一番まともかも。紅蘭と龍淵のじゃれ合い(?)を上手くまとめてくれる存在になりそうで頼もしい。次はどんな拗らせキャラが最強ファミリーに加わるのか、楽しみだ。2023/03/11
よっち
24
大陸に君臨する大帝国・斎の女帝・李紅蘭。ふた月ほど前に結婚した自称極悪女帝の彼女が、今度は不幸を呼ぶ少年の養母になる第二弾。紅蘭の兄の息子・白悠を正式に養子にすることにした二人。「そういうもの」が見える龍淵に、怨霊の仕業で周囲の人間に不可解な不幸が続く「不幸を呼ぶ少年」をぶつけるとかいう、何とも複雑過ぎる家族関係には苦笑いでしたけど、敵には容赦なくとも味方には何だかんだで甘い紅蘭や、様々な思いで彼女を支える周囲の人たちとのやり取りはなかなか楽しくて、新キャラの白悠も二人の関係にいい感じにハマりそうですね。2023/05/01
TAMA
13
割と「それがどうした」みたいな主人公が多くて、察するように読むことが多い先生(そこがいいのですけど)。ゴーイングマイウェイを貫き、それを良しとする周りを持ち、厄介な性格の夫の上に拗らせてる息子も引き取ってみる、他人の評価を気にしない女帝様。自信というより、退屈しのぎのお楽しみみたいな余裕が「強い」根底?自分にないものだらけのヒロイン様を楽しませてもらいました2023/06/16
色素薄い系
3
新キャラが加わり2人の周囲が賑やかになった今回。白悠は賢い子だけど年齢相応の部分もあって可愛い子でした。龍淵の紅蘭に対する見方が変わった事で変化が訪れているけど白悠を紅蘭から守るという目的が出来てしまったので、あの時どうして他の男に触るとかありえんって手をはたき落としたのかその理由にたどり着くまで時間がかかりそうだな…とちょっと思った。2023/05/14
史
3
>「当然でしょう? 私より怖いものなんて、この後宮にいるはずがない」思って呪って、名前を読んで、また恨んで。2023/05/14