内容説明
斎帝国の李紅蘭は冷徹非道の極悪女帝で……。
「その男の首をお刎ね」
大陸に君臨する大帝国・斎には絶世の美女がいた。その名は李紅蘭。いくつもの敵国を打ち倒し、内政においては邪魔者となった相手を容赦なく切り捨てる、極悪非道の女帝として畏れられていた。その紅蘭も即位して二年ほどが経ち、そろそろ世継ぎの心配をされるようになった。いっこうに誰とも結ばれる気がなさそうな紅蘭を案じて重臣たちが用意した婿がねは、属国・脩の第五王子、王龍淵。この男、大国一の美貌を誇る人物だったが……。
「言っておくけど、私の夫になれる男はそういないわよ」
戦闘態勢万全で強気の構えの紅蘭の前に現れたのは、白い髪に白い肌、瞳だけが血のように赤い、神仙のごとく浮き世離れした……ただし、紅蘭付きの女官を片っ端からタラしまくる不遜かつ魔性の美男だった。
「俺が自分の意志であんたにひれ伏すことはない」
「私はね、弱い者には優しいのよ。いい子にしなさい」
獣と飼い主のような関係から始まった紅蘭と龍淵の関係は、なかなか夫婦という形にはおさまらない。が、どこか不思議な信頼のようなものは生まれつつあり……?
ワケアリで反抗心旺盛な歳上の夫を掌で転がしつつ、国内外を容赦なく仕切る極悪女帝・紅蘭の明日はどっちだ!?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
34
いくつもの敵国を打ち倒し、内政でも邪魔者を容赦なく切り捨て大陸に君臨する斎帝国の極悪女帝・李紅蘭。一向に誰とも結ばれる気がなさそうな紅蘭を案じて重臣たちが婿を用意する中華風ファンタジー。紅蘭女官を誘惑する不遜かつ魔性の婿、属国・脩の第五王子王龍淵。獣と飼い主のような関係から始まった紅蘭と龍淵の関係。それでいて不思議な絆めいたものが生まれてゆく、ワケアリで反抗心旺盛な歳上の夫が密かに抱いていたその目的。明らかになってゆく複雑に因縁が絡み合う業の深い過去を乗り越えた二人のこれからを続巻に期待の新シリーズです。2022/12/16
tomtom
12
極悪女帝と連呼する割に女官たちが女帝にメロメロだから、何かあるんだろうと思ったのに、そこまでの理由もなさそうで、そこまで愛されるわけがよく分からなかった。だんだん飼い慣らしていく様子がよかった。2023/09/06
色素薄い系
5
タイトルからよくある後宮ものかと思っていたのにガッツリ怨霊退治してた。というか龍淵の死んだ兄は恨む先違わね?元凶は先帝でその娘の紅蘭は被害者でしょ。というか先帝妹が死んだからって娘にも歪んだ愛情向けてたとか気持ち悪いにもほどがある。女官達は毎日推し活出来て楽しそう。2023/04/06
史
5
よくよく考えると、最初から最後までいちゃついている。蟲姫の前世代のお話なんでしょうかね?ともあれ内容は最強の女帝の前に、最強のお婿さんが現れて、最凶の後宮で大暴れ。ってな感じで、強烈なキャラクターたちが繰り広げてくれます。続きが出て欲しい。好きですねえ。2022/12/05
ネロ
3
うーん、面白くないことはないんだけど、なんだか全てが中途半端で…極悪女帝と言う割には説得力のない粛清や、龍淵の考えなしの復讐やら、重みがないんですよね。悪霊に犯されるって表現も無理矢理こじつけてる感じだし、ちょっとのれなかったですね。ただ、女帝の強さと女官たちのオタク臭が面白くはありました。2023/07/21