内容説明
大ヒット作「金椛国春秋」シリーズに続く気鋭のファンタジー作家の注目作。
「三国志」の時代から続く戦乱の中国、五胡十六国時代。
涸れ井戸の巣の卵から孵って数十年を一人で過ごしてきた幼龍・翠鱗は、赤麒麟の一角に拾われる。
翠鱗は、神獣となるために聖王を探しに人界へ。
西王母の山を目指す途中、長安で瞳に紫光を持つ少年の苻堅と出会う。
非凡な聡明さと覇王の相を持つ苻堅に惹かれた翠鱗は、一角の「まず西王母に会え」という助言を忘れて、
これが自分の聖王と考え、長安に留まる。
多民族の入り乱れる華北を統一したいと考えていた苻堅は、龍の仔を手に入れたことで自分の天命を信じるようになる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
37
神獣・赤麒麟の一角麒が山で拾い、新入りの霊獣として大切に育てた蛟の子・翠鱗。翠鱗は光の輪に包まれた若き将軍・符堅に出会い聖王の徴を見る第三弾。天命を試さぬまま偶然符堅に再会し、そのまま彼の理想と聖王の器を守っていく決意を固める翠鱗。そんな彼が数奇な巡り合わせで出会ってしまうより強い光を持つものの存在。諫言するものを次々と誅してしまう主君・苻生を憂慮して、符堅は兄とともにそれを討って即位するわけですけど、天命は果たしてどこにあるのか、そして翠鱗の決断がこれからどう効いてくるのか、下巻の展開に期待しています。2023/01/17
kagetrasama-aoi(葵・橘)
29
「霊獣紀 蛟龍の書」上巻。読み始めて「獲麟の書」を先に読むべきだったかも……と思ったんですが。蛟龍こと翠麟が主人公、赤麒麟の炎駒(「獲麟の書」の主人公です。)は翠麟の後見人(麒麟ですから後見人はおかしいかもしれませんが)として登場してます。時代は五胡十六国の時代に擬せられています。色々な国名が出てきてかなり苦戦しました😂でも、翠麟が主と定めた少年苻堅との絆が堅固なものになっていく過程をドキドキしながら読了、下巻にいきます。2023/11/22
うめきち
12
面白かったけどちょっともどかしい。翠鱗の霊力がよくわからない。まぁ翠鱗本人もわからないみたいだけど。下巻にいきます。2023/09/23
みどり
11
蛟が龍になるかもしれない?の巻。 ただ、この子今一つ好きになれないのはなぜだろう? 「無知は罪」ということを思い出してしまうからか? 後半どうなっていくのか早く続きが出ないかな。 とにかく、中国史は面倒くさいけれど、天命を授かった王たちについてはちょこちょこ調べるようになった。2023/02/07
Hugo Grove
6
読了2023/09/09