内容説明
生物の寿命はどのように決まるのか。都市はなぜ成長し続けることができるのか。物理学者が、生命、都市、経済を貫く法則を明かす
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
glaciers courtesy
6
最初は生物学を物理学的に、つまり数学的に記述するというお話だ。生物が多様な変動要因を持つ複雑系だとしても、生物の大きさと代謝効率など、数式でおおよその記述が出来るものがあることに気付かされる。そして、人間のエネルギー消費はアメリカなどでは、人間の都市以外に住む通常の消費カロリーの100倍以上と言われ、今さらながら驚く。エネルギー消費で考えると、人口は2,000億人分のエネルギーを消費しているのだ。そして、人類の都市化と人口増加は指数関数的に進行している。我々は危機にあることをもう少し自覚すべきなのだろう。2023/04/02
ONE_shoT_
2
生命・組織・企業・都市・経済の成長と限界はすべて同じ統一原理「スケーリング則」で説明できるとした一冊。帯に「哺乳類の大きさが2倍になると、心拍数は25%減り、寿命は25%延びる」とあるように、様々な生物の成長・寿命が同じ法則で説明できることが興味深かった。下巻は生物に留まらず、組織・企業・都市にまで同様の法則が当てはまることを見るようなので楽しみ。2023/03/18
十一
1
規模の数理で森羅万象を読み解く2023/04/30
samandabadra
0
第3章 特に最後の方のフラクタルに関する研究に非常に面白いものを感じた。研究者としてルイス・リチャードソンと、その考え方を敷衍させてフラクタルという考えをひねり出したマンデルブロはすごいなと2023/09/14
どどんぱ
0
生命活動の大きさに起因する普遍的な法則。この法則が活動に必要なものを体全体に循環させるための原理原則に基づくという解説は、すべて理解できたわけではないが、腑に落ちるものでした。後半から、この法則が都市に適用されていく、企業との対比もこれから。次巻に続く。2023/01/28