内容説明
沼とは何か?……ある特定のことにはまったり、収集がやめられないことを「沼にはまる」と言います。アルコール、セックス、自傷、ギャンブルなど「依存症」とは異なり、クラファン、SDGs、通販など、コロナ禍の影響も考えられる新たな沼も出現しています。これまで500人以上を取材してきた著者が、実際に「沼にはまった人々」のインタビューを紹介しながら、さまざまなデータを駆使し、沼の正体を初めて明かす。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Roko
34
沼にはまる人たちが「貢ぐ」という行為に走ってしまうのは、寂しいということが根っこのところにあるのでしょうか。家族と一緒に暮らしていても構ってもらえない人、学校や就職で家族から離れてしまった人、いじめにあった人など、孤独な人が増えているから、沼にはまる人も増えているのかもしれません。そして、1つの沼から抜け出せたとしても、「今度は大丈夫」って油断したら、また別の沼にはまるかもしれないのです。自己肯定感が低くて寂しい人が多い今の日本では、沼にはまる人は減らないだろうなぁ。2023/04/10
おいしゃん
33
自分自身趣味が多く、それぞれこだわりも強いので、出てくる「何かにはまりすぎた人々」には何かしら共感してしまった。様々なはまり方が出てきたが、「人や家族に迷惑をかけないこと」「自らの身体や健康に影響しないこと」を守れるかが、重要な境目と強く感じた。2022/11/18
よっち
30
ある特定のことにはまったり収集がやめられない行為「沼にはまる」。500人以上の「沼にはまった人々」を取材してきた著者が、様々なデータを駆使して沼の正体に迫る一冊。プロレス、若手俳優、睡眠薬、ラーメン、肉体改造、美容整形、マッチングアプリ、占い、ホスト、推し、不倫、買い物、グルメ、インスタグラム、服、ママ友など、様々な形で「沼にはまる」人々を紹介しながら、沼にはまるとはどういうことか、上手に付き合う方法などが解説されていましたが、でも周囲に迷惑をかけない、健康や生活に影響しないほどほどが難しいんですよね…。2022/12/18
みっこ
24
もっとライトな沼を想像してたけど、それは沼というより依存症では?というものも多い。好きなもの、ハマれるものがあるのは素敵なこと。でもハマりすぎて生活に支障きたし始めると、それは不幸の入り口。その境目はどこにあるんだろう。『SNSにアップできなくてもそれをやる?』という問いかけ、『これからの人生でやりたいこととやりたくないことを書き出す』という手法は参考になりそう。2025/08/09
今庄和恵@マチカドホケン室コネクトロン
18
何かに過剰にお金や時間やエネルギーを費やしてしまうことを沼というとしましょう。その行動に前向き要素が多ければそれは推しと肯定され、自己破滅的な要素があるなら依存とされる。本書は依存についての言及が多かった。いずれにしても沼エネルギーは自分だけでは到底できないことに邁進させる力があるということで。最後の「沼と上手に付き合う方法」は蛇の足でしたね。2023/03/06