内容説明
「さあ、反撃を始めましょう」
婚約して十年。幼い二人は穏やかだけれど確実にはぐくんだ愛を芽吹かせたはず……侯爵令嬢アイリーン・カサンドラは王太子レオンの婚約者であり、彼の成人を機に結婚するはずだった。しかし成人を目前にして、王太子の心はほかの女性に奪われ、大勢の前で王太子から婚約解消宣言を受けた。
――それは、ほかならぬアイリーン自身が選んだ道だった。そう、すべては愛する国の為――。
わかっていたはずなのに取り乱してしまう心。この原因を、アイリーンは許さない。猟犬と呼ばれているカサンドラ侯爵家の所以を思い知るがいい!
陛下を巻き込んで反撃を行った結果、継承権を手放し国を出たはずの、王弟キースに王位が回ってきた。
王位継承に変わりはいれど「王太子妃」に代わりはいないと受け入れる。
二人っきりになり、キースに所詮レオンでなくて良かったのだなと問われ、アイリーンはごまかし続けていた本音を思わずこぼしてしまう。
『勝手に甘やかすさ。妻をいかに甘やかすか、夫の腕の見せ所だろう』『まだ、婚約もしていませんわ』『その為の努力は惜しまんよ――俺は、あなたの心がほしいーー』そんな会話の中で泣きつかれ眠ってしまったアイリーン。一回り以上も下の娘の泣き顔に惚れたキースは翌日より動き出す……。
年上で俺様な王弟殿下の溺愛ぶりに振り回されながらも、真実の愛を見出し幸せになるお話。
『愛の為ならしかたない(2)』には「第一章 愛の為ならしかたない 独白」~「第一章 愛の為ならしかたない 06 荊の姫君」までを収録
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