内容説明
江戸市中で二人の男が射殺された。が、奇妙なことに銃声を聞いた者はひとりとしていない。
町方役人が奔走する中、幻十郎は、この事件を内密に片付ける頼みを受けた。
どうやら、松代藩真田家の鉄砲鍛冶が造った新式銃が関わっているらしい...。
感想・レビュー
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幻十郎(冥府の刺客)の6作目で、文政7年の秋頃の設定。この時代、銃の製造は禁止されてはいなかったそうだ(幕府の黙認)。本書に登場するのは火薬を使わない気炮(きほう)、即ち空気銃で、連発式の新型である。売れば一挺100両に。欲に目のくらんだ幕府御鉄砲方以下悪党の面々が仕組んだ気炮量産計画は軌道に乗るかに見えた。だが、最初に拉致した鉄砲鍛冶は楽翁と無関係ではなかった。楽翁の老臣孫兵衛の意を汲んだ幻十郎は闇裁きの仲間たちと事件の核心に迫っていく。中盤もたつくが、最後はまとめて冥土送りに。★★★★☆☆2011/10/01