小学館文庫<br> 1795

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小学館文庫
1795

  • ISBN:9784094071481

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内容説明

北欧歴史ミステリー至高の三部作、完結篇!

 フランス革命の影響は未だ色濃く残り、暴力と奸計が常態化していた1795年のストックホルム。
 事件を捜索することで立ち直りつつあった戦場帰りの引っ立て屋カルデルと心を病んでいた学生エーミル。彼らの善意が招いた悲劇によって、前年に多くの命が失われた。彼らと、幸せを願いながら愛する子どもたちを手放したアンナ・スティーナは一瞬にして打ちのめされ、絶望の大きさに動くことすらできなくなっていた。一方その悲劇によって追い詰められた怪物は、自らの起死回生を賭けたおぞましい計画を立て、さらなる惨劇が起きようとしていた。
 戦争、暗殺、人権蹂躙。腐敗しきった18世紀末の北の都と、その中で己の正義に従い生きる者たちを力強く描き、北欧ミステリーの歴史を塗り替えた至高の三部作、堂々の完結篇!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ナミのママ

67
スウェーデン歴史ミステリー三部作完結。この膨大なストーリーをどうやって完結させるのか、何よりそれが知りたかった。前作に引き続きますます混乱を極める1975年、そこに描かれる歯車が狂ったような人生。狡猾な者はさらに狡猾に、運から見放された者はさらに転げ落ちていく。政治と宗教が深く生活に浸透し、人々はアルコールとお金に翻弄される。先が見えず、不安な時代と共に物語は終わってしまった。この狂気と絶望感の三部作に光のある幸せな結末を望んでいなかったが、それにしても…。生き抜く事が大変だった時代の物語。2023/07/28

キムチ27

54
巻末ネタを頂くと当3部作 18C末人気を博した詩人 ベルマンの人生や作品をモチーフにしたとある。全く知らない人物だが死去は1795.そりゃ、その死を持って、当作が幕を閉じたのもむべなるかな。章扉や冒頭に引用された詞文が人となり、作品群の香りとベルマンの人間性をかぐわせる。酒と色と性欲と。。しかしこの三部作は群集劇であり、下層の人々の力強さも随所で見せている。上層階級のみで時代は作られない証をよく現す。泥水の様な悪の限りに立ち向かったヴィンゲとカルデル、賢明な中にも悲惨な結末が続いた~18C末ストックホルム2022/12/21

路地

50
惨劇の主犯はもとより、残酷な趣味を持つ結社も一網打尽に、、とはならず、主人公も含め暗い過去を清算するかのように幕引きに向けて去っていく様に、物語の舞台である汚物に濡れる近世ストックホルムとは裏腹の静謐を感じた。後に残るのは未来を持つ者だけか。ここしばらく感じていなかった深い読後感が得られた。2023/06/15

ちえ

44
三部作最終巻。想像もしていなかった終わりに(えー!!)と読了後、暫く虚脱。1つの希望は残ったけれど、余りにも救いがなく、良いんだろうかこんな終わり方で…とざわざわする。3冊読み終えてみると、主人公はこの時代のスウェーデン、橋の間の町とそこに住む人達全体のようだ。ヨーロッパの他の国との関係や、スェーデンの立ち位置も含め初めて知ることが多すぎて、消化するにはまだ少し時間がかかりそう。2023/02/09

星落秋風五丈原

35
 さて、本シリーズスウェーデン王グスタフ3世が1792年に暗殺されてから、息子グスタフ4世世が即位するまでの混迷期を舞台にしている。1796年にはいよいよグスタフ4世が即位し、すぐに不人気な大臣グスタフ・アドルフ・ロイターホルムを罷免して人気を得た。暗君ではないことを証明したわけだが、フランス革命を忌み嫌ったため極端な反動政策をとり、クーデターにより宮殿から追放される。暗殺されなかっただけまだしもだ。エーミルの企てが失敗し史実通りの1795年が終わる。2022/12/18

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