ちくま文庫<br> オンガクハ、セイジデアル MUSIC IS POLITICS

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ちくま文庫
オンガクハ、セイジデアル MUSIC IS POLITICS

  • 著者名:ブレイディみかこ【著者】
  • 価格 ¥770(本体¥700)
  • 筑摩書房(2022/09発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 210pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480438102

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内容説明

イギリスの出来事が、その先の未来と、今の壊れた日本を予見する。ロックと英国の社会・政治を斬りまくる初期エッセイ。『アナキズム・イン・ザ・UK』の前半部に大幅増補。著者自身が体験してきた移民差別と反ヘイト。拡大するアンダークラス。イギリスの音楽から労働者階級のプライドを自覚した著者にとっても、音楽と政治は切り離せない。

目次

文庫版まえがき/第1章 アナキズム・イン・ザ・UK/出戻り女房とクール・ブリタニア/フディーズ&ピストルズ随想/勤労しない理由──オールドパンクとニューパンク1/勤労しない理由──オールドパンクとニューパンク2/HAPPY?──パンクの老い先/フェミニズムの勝利? ふん。ヒラリーは究極のWAGだ/ザ・ワースト・マザー・イン・ザ・UK/孤高のライオット・ガール/Atrocityについて。しかも、まじで/雪と学生闘争。そしてジョニー・マー/モリッシーのひねり。それは学生デモ隊に何よりも必要で/ポリティクスと定規の目盛り/Never Mind The Fu**ers/怒りを込めて振り返るな。二〇一一年版/石で出来ている/愛は負ける/モリッシーのロンドン五輪批判発言の「痛み」/イミグランツ・イン・ザ・UK/アナキーな、あまりにアナキーな(現実)/仮想レイシズム。現実レイシズム/ヘイトフル/死ね。という言葉/墓に唾をかけるな/ストリートが汚れっちまった悲しみに/ファーギー&ベッカムの時代/ロイヤル・ベビーとハックニー・ベビー/WBS(悪くて、バカで、センチメンタル)/ジェイク・バグ/第2章 音楽とポリティクス/インディオのグァテマラ/キャピタリズムと鐘の音/淫らなほどキャピタリスト。の時代/移民ポルノ/ウヨクとモリッシーとサヨク/ヤジとDVとジョン・レノン/女の一生とカップ・オブ・ティー/シャンパンと糞尿/JE SUIS 移民/左翼セレブたちの総選挙/音楽とポリティクス/ヨーロッパ・コーリング/パンと薔薇。と党首選/花と血の時代/バンクシー、バーチル。そして二〇一六年/単行本のあとがき/文庫版あとがき/解説 平井玄

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

旅するランナー

217
「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」だけでは、少々差別用語をぶつけらてもビクともしない、このパンクなおばさんのスゴさは見えてきません。イギリスの音楽を通して感じられる、社会の歪みを掬い上げる。「わたしの祖国には、日本人離れしたものを妙に崇める風潮がある一方で、本当に身近に存在する日本人離れしたものは凝視し、排他する傾向がある」「キャピタリズムが"それ以上"を望む人間たちが動かす社会だとすれば、ソーシャリズムとは"それ以下"に落ちている人間たちを引き上げる社会なのだ」のような鋭い指摘でロックする。2023/04/09

さぜん

43
10年ほど前のイギリス政治事情。殆ど知らないことばかりで何ともお恥ずかしい。ただこれって今の日本?と思うこと多々あり。最近移民問題に触れる事が多く、みかこさんも移民の一人として英国を見ている。「閉塞感と何十年も言い続けている国は治安の良さと引き換えにスティーブ・ジョブズやビートルズを生みだすチャンスを捨てている。」内側ばかりを見ているとそこにどんな問題があるのかとかこのままでいいとか思うようになる。おかしいことはおかしいと言える社会じゃないと。相変わらずのぶった切り感、さすがです。2022/12/18

読特

41
「アナキズム・イン・ザ・UK」の復刻2冊目。元の書籍は2013年出版。少し古い時代の話題となる。「ザ・スミス」は1980年代のロックバンド。この時代の英音楽界について知識がないと、なかなか入り込むことは難しい。短いエッセー、自身の日常と趣味の音楽。音楽が政治に通じるあちらの国。所詮は他国の事情。されど、後に我が国の辿る道が酷似してくる。「ぼくイエ」の初版は2019年。ブレーク前の黎明期。一見退屈するページの中、見え隠れする種。花が開くのは数年後。以後のヒット作を読む上で原点を理解しておくのは損がない。2022/10/20

23
自分にはない経験や鋭い視点をもっている人が好きで、ブレイディみかこはまさにその人。長年英国で暮らし、英国の音楽や政治に造詣が深い彼女は『僕はイエローで〜』が最近日本で爆発的にヒットしたけれど、やはり初期の頃のキレッキレの文章のほうが読んでいて楽しい。昔は「政治」と聞くだけで拒否反応を示していたわたしも、ブレイディみかこの著作を読むようになって、すごく身近なことに感じられるようになった。読み手を置いていかない庶民の視点がいい。日本の政治コラムも書いてほしいと思うのは、わたしだけではないはずだ。2022/11/24

Narr

16
音楽は、政治である——。というより、文化・社会・政治は元々不可分なのだ。ジェンダーや人種に反応しがちな社会に反し経済格差を重大イシューに据えるブレイディさんの問題意識は、日本においても重要な見方だと思う。今の日本のロック・ポップやアニメなどのサブカルチャーはどのように社会や政治と接続しているか。あまり現実の貧困を表象しているものは少ないように思う。それは一億総中流の残滓が社会意識の底流に未だ残っていることや、貧困を認めることが日本社会においてもスティグマを伴うことと関わりがあるのだろう。2022/10/15

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