NHKブックス
ホモ・フロレシエンシス〈下〉―1万2000年前に消えた人類

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  • サイズ B6判/ページ数 214p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140911136
  • NDC分類 469
  • Cコード C1345

内容説明

世界中を驚かせたホモ・フロレシエンシスの発見。それは新たな人類なのか、単なる小頭症の現生人類なのか。ルーシーや北京原人など、さまざまな初期人類との比較や、最新の分析技術の成果から、彼らの正体に迫る。大きな動物は小さく、小さな動物は大きくなるという、「島の法則」の作用は、人類にもおこりうるのか。しかし、激しい論争の渦中、骨は論争相手のもとへ…発見後の混乱を乗り越えて当事者である著者が挑む、ホモ・フロレシエンシスと人類の進化・拡散の謎。

目次

第6章 よみがえる初期人類たちの姿
第7章 「島の法則」という進化の不思議
第8章 世界はホビットに息をのむ
第9章 奪われた人骨と論争の行方
エピローグ
解説 ホモ・フロレシエンシス調査研究のドラマ

著者等紹介

モーウッド,マイク[モーウッド,マイク][Morwood,Mike]
考古学者。オーストラリア・ウーロンゴン大学教授。インドネシア・オーストラリア共同調査チームを率い、ホモ・フロレシエンシスを発見する。2004年にnature誌に発表され、人類進化上の大きなニュースとして世界中に衝撃を与えた

オオステルチィ,ペニー・ヴァン[オオステルチィ,ペニーヴァン][Oosterzee,Penny van]
作家。“The Story of Peking Man”“Where Worlds Collide:The Wallace Line”などポピュラーサイエンス書を多数執筆

馬場悠男[ババヒサオ]
国立科学博物館人類研究部部長。東京大学大学院理学系人類学博士課程中退。医学博士。専攻は人類形態進化学

仲村明子[ナカムラアキコ]
英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

takeapple

9
いやあ面白かった。猿人から原人、旧人、新人と直線的に、世界各地で進化してきたと習った世代にとっては、出アフリカ説だってかなりの「目ウロコ」なのに、ホモ・フロレシエンシスの存在はものすごく衝撃的。学問的植民地主義についてもよくわかるからインドネシア側の立場もわかる。ここはやっぱり日本の研究者の出番かもと期待がかかる。次は、そんなわけで日本の研究者のものを読もう。2009/08/15

鐵太郎

5
発見から始まった人々の軋轢までもなんとか乗り越えたモーウッド博士の手腕と、「先進的の」学会と「開発途上国の」学会の間あたりの地位にある日本は今後如何にあるべきだろうか、という監修者の馬場悠男教授の言葉でこの本は締めくくられます。本文だけではわからない背景まで、いろいろな世界をかいま見せてもらえました。考古学も科学の一分野ですが、人間が絡めばいろいろなドラマがあるものですね。面白い、といっては失礼ですが、こんな世界もあるのかと一つ学ぶことが出来ました。2009/10/16

新平

4
 We were not alone. 彼らの存在を知るまでは自分にとって化石人類への興味は、我々現生人類の直系、ルーツを探す旅であった。年寄りが家系図を作りたくなる心理に通じるものがあるのかもw それはともかく、我々とは別の進化の枝をたどり消滅していった種に特別な思い入れは今まではなかったのだが、1万2千年前までこのノンマルト、じゃなくてホビットと地球上での時間を共有していた事実は、私の中の「我々」の定義を揺るがした。 2018/03/11

aki

2
インドネシア・フローレス島で新種の人類が発見された、との報道を聞いて、最初に驚いたのは、わずか1万8000年前(その後、1万2000年前のものも発見)という時間的な近さだ。ヨーロッパのネアンデルタール人でさえ、数万年前には絶滅したはず。考古学で1万2000年前というと、ほんの昨日のことだ。ホモ・サピエンスと共存していたことになる。ひょっとして、ホモ・サピエンスに絶滅させられた? 日本では縄文期のことで、太平洋を自在に動き回った縄文人のことだ、フローレス島を訪れて、ホビットたちと交流していたかもしれない。2008/09/23

プラス3

1
新種の人類発見を発表してからの話。他の学者との論争や化石の奪い合いが出てくるから上巻よりも面白いんだけど・・・やっぱり科学的な話はあんまし出てこない。残念。2012/04/14

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