内容説明
大好物のミステリーを食べて、こんなに大きくなりました――アガサ・クリスティー、綾辻行人、エイドリアン・マッキンティ、伊坂幸太郎、ジェフリー・ディーヴァー、都筑道夫、D・M・ディヴァイン、法月綸太郎、ヘニング・マンケル、山田正紀……など総勢362名、1,018作品。一日一冊以上のペースで爆読する若手屈指の本読み作家が大好きな作家&作品を存分に語り尽くした偏愛ミステリーガイド。この熱量と文字量、どうかしてるぜ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
141
ミステリが好きで好きでたまらない作者が、古典から新作まで縦横無尽に熱く語り尽くすが、よくこれだけ読書の時間と言葉があるなと呆れるほどだ。これほど愛情と熱量あふれる書評や解説は確かに内藤陳氏以来だが、後半になるほど語り口まで『読まずに死ねるか!』と似てきたような。これほど好きだからこそ自分でも次々に創作しているのだなと納得してしまうが、何となく中毒症状を呈したジャンキー的な危険な匂いも。というか、これは明らかに働きすぎならぬ読みすぎ改革の対象ではないのか。面白くて続きを読みたいが、健康が心配になってしまう。2022/10/20
ナミのママ
67
圧倒的な登録作品に声も出ない。3部構成の本作。第1部、現在は「ジャーロ」にて続いている読書日記35回分。第2部、書籍の解説11本。第3部、エッセイ。巻末に索引。「ジャーロ」の連載は毎回、特に翻訳作品を楽しみにしている。1作品だけでなくそのシリーズ、関連する作品、幅広く紹介されていてワクワクしながら見ている。何より同業の作家さんを尊敬し、嫌味ない感想に好感を持てる。ギュッと詰まったこの一冊に1000作品は掲載されている?(数えてないけど) 【第23回本格ミステリ大賞評論・研究部門】受賞2023/08/11
shio
52
阿津川さんの読書量と愛の深さに圧倒されます!海外ミステリが多くて既読作品は少なかったですが、ネタバレなしに作品の面白さを巧みに語る、熱の高さに興味引かれる作品も。デイヴィッド・ピース『TOKYO REDUX 下山迷宮』小平事件、帝銀事件を扱った〈東京三部作〉面白そう!好きだった浦沢直樹『BILLY BAD』に影響を与えた作品とのこと、なるほど〜!『ヨルガオ殺人事件』『木曜殺人クラブ』『自由研究には向かない殺人』の読み比べも楽しい!読むとしたら『自由研究〜』かな。低調だった海外ミステリ熱が少し上がりました。2022/11/05
亜希
34
”この熱量と文字量。どうかしてるぜ”ー嘘偽りのない帯文を久しぶりに見た気がする。とある書評家に「書評界の『ラーメン次郎』」と言わしめたと書いてあるけれど、本当それ。ただ私は「読書日記」は好きでも海外ミステリーには苦手意識があるので、最初は”楽しいけど実際読みたいとはならないかな?”と思っていたのに、結局あれもこれもと読みたい本リストが増えまくる結果となった。特に解説編はどの本も読んでみたくなり、ここまでの情熱を持って解説を書いてもらえる作品は幸せだな、とまで思った。最高の暑苦しさです(褒めてます)。2024/02/25
mayumi
34
ミステリー作家阿津川辰海による読書日記。前半は読書日記、後半は解説・エッセイになっている。正直、この作家は初めて知ったのだけれど(国内ミステリーほとんど読まないので…)、読書日記で語られる本が海外ミステリー好きにはたまらないほど多種多様でいい!コナリー、ディーヴァー、マッキンティ、マンケル、クリスティ…出るわ出るわ、大好きな作品群!特にハリー・ホーレシリーズの未翻訳の英語版を読んでて羨ましい限り。集英社〜続き訳してよー。海外ミステリーへの熱い想いが感じられる読書日記。面白かった!2022/10/29