内容説明
『アラビアン・ナイト』の登場人物としても有名なハールーン・アッラシードを始め、諸王朝の君主、宰相の言行を語るエピソードが満載。イスラームの歴史を知る古典の本邦初訳。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ドウ
6
アッバース朝最後のカリフまで、ブワイフ朝やセルジューク朝といった諸王朝の台頭も踏まえながら、各カリフとその宰相の功罪を網羅する。この者については特記すべきことはない、と書かれた宰相が少し可哀想。何故その者がそのような評価を受けるに至ったかを示すエピソードが盛り込まれ、君主たちが優れた君主のあり方や宰相の持つべき能力について学ぶには良い本だったのだろうな。君主でも何でもない現代人にとっては、同じ君主鑑でも『カリーラとディムナ』の方が面白い。2017/09/27
kaeremakure
0
アッバース朝の分裂期になってもカリフや宰相たちの逸話が中心なので、諸王朝の興亡みたいのを期待すると肩すかしを食らう。ただ、語られる様々な事件のディティールは面白く、政庁で座っていた宰相の頭の上に天井から毒蛇が落ちてきたとか(イラクあたりではよくあるんだろうか?)、通りすがりの占者が貧しい漁民だったブワイフ家の台頭を予言したとか、深夜のモスクで3人の男が、仲間を交互に壁龕の前に横たえて死者の祈りを唱えているのが目撃されたが、後日に白昼堂々と宰相を暗殺したニザール派のアサシンが彼らだったなんて話もある。2015/04/22
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