内容説明
最愛の妻シーターを魔王ラーヴァナに奪われたラーマは、弟ラクシュマナと共にシーター奪還の闘いに旅立つ。いよいよ物語は、サンスクリット原文からの初めての日本語訳となる佳境部分へ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
syaori
58
ラーマが追放されたダンダカの森は、聖仙たちが暮らし天女や神々が訪れる夢幻の森。この森が舞台となる本巻から物語の幻想性が一気に増し、それとともに青い雲の塊のような羅刹群を射る黄金の飾りのついた矢、青い肌に赤い衣を纏う羅刹王ラーヴァナなど視覚的な鮮やかさも増し極彩色の絵巻物を眺めるような楽しさ。その中にもラーヴァナへの忠言という形で王法が説かれ、倫理・道徳的な意義も持つ物語なのだと再認識させられます。その羅刹王に妻シーターが奪われ、その探索の援助者となるという猿王スグリーヴァの住む土地を訪れたところで次巻へ!2022/11/22
NAO
58
森へ入ったラーマ、その妻シータ、異母弟ラクシュマナの、霊場巡り、聖仙に請われての羅刹を退治と、話は大きく動き始める。ラクシュマナが自分に懸想した羅刹女を排除し、彼女が次々に羅刹たちを戦に駆り出すという悪循環が、ついにはラーヴァナまで引っ張り出すことになるという、前2巻の冗長さとは打って変わったテンポの良さ。貞節で慎み深いシータも、きれいなものには目がなく、それを手に入れるためにはわがままも通そうとする。シータもやっぱり女性なんですねえ。2018/02/05
roughfractus02
8
第1巻では第二王妃の猜疑心、第2巻では闇の魔王の妹の復讐心、そして本巻では主人公の妻シーターの美しい鹿が欲しいという欲望から物語は動く。他のものを所有したいという心が闇を引き寄せ、物語宇宙に闇夜をもたらす。大地の畝を象徴し豊穣を隠喩するシーターが闇の魔王ラーヴァナに連れ去られると、森では父王の友人の鳥族から新たに猿族へと協力者が加わり、世界維持の太陽神ヴィシュヌの化身ラーマのシーター捜索の旅が始まる。そんな物語で、魔王との戦いを主人公に懇願する苦行僧や聖者は、心の闇が世界の闇と直結していることを示唆する。2022/09/23
隠居
0
ようやくおもしろくなってきた。2012/12/04
Э0!P!
0
バラタが相変わらず悪口を言われて可哀想...。 ラーヴァナとの対決が始まる。他人の妻を奪うという大罪と、佞臣の扱いについて、元羅刹の賢人マーリーチャが力説する。2022/02/23
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