内容説明
イシルドゥルの最期、ローハンの建国記、『ホビットの冒険』の隠された物語など、トールキン世界の空白を埋める貴重な遺稿集。巻末資料も充実。
※本電子書籍内の頁表記は、すべて紙書籍版(河出文庫)に該当する頁表記です。あらかじめご了承ください。尚、紙書籍版(河出文庫)の目次も収録しておりますので、頁位置の目安としてご参照ください。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
泉のエクセリオン
13
本巻では中つ国第三紀の出来事であるイシルドゥルが斃れたあやめ野の凶事、青年王エオルと執政キリオンによるローハンとゴンドールの同盟の結成等が語られる。興味深かったのは、エルフと人間、最後の同盟の戦いでサウロンが倒された後、力の指輪を手に入れたイシルドゥルが指輪をわが物にするが、あやめ野でオークに強襲された際には、指輪を手に入れた事を後悔している事である。「あれに触れた時の苦痛が恐ろしい・・私の自尊心は打ち砕かれた」とあり、かなりイシルドゥルの印象が変わる話であるなと思った。2024/08/25
roughfractus02
12
エルフ(不死の種族)と人間(死ぬ種族)の間にあるヌーメノール族はエルフの不死を望み、サウロンに唆されて至福の地アマンに侵攻して国ごと大海に沈む。が、その中でエルフの友で節度を保った者たちがアルノールとゴンドールを築き、第3紀の指輪戦争で彼らが大きな役割を担う。本書は、『指輪物語』以前のアトランティスを思わせるこの島の没落の歴史から指輪に魅入られて死ぬイシルドゥルの心理の動きや物語で明示されないゴンドールとローハン、ガンダルフとサルマンの関係の記述を経て、原始の戦争の始まりにあるパランティールの逸話に至る。2025/05/19
人間
12
上巻と同じく、「資料」である。指輪物語もホビットも詳細を忘れてしまったので、その関連の話はよく飲み込めない。興味深かったのはイスタリの記述。彼らはヴァラールがアマンの地より中つ国救援のために遣わしたマイアであると言える。マイアだけども肉体をまとうので、悩みや疲れを感じるので大変危険を伴う任務を負っている。船造りのキアダンから、ガンダルフ(ミスランディア)に火の指輪が託される。結局のところ、トールキン父さんが不完全にしていたところは、息子さんも補い切れるものではなく、どうしても謎は残る。2023/09/16
広瀬研究会
10
第三紀に入って『指輪物語』の登場人物、とりわけガンダルフが出てくると途端に親しみやすくなる。やっぱりガンダルフ好きだなー。正直『指輪物語』の内容をうっすらとしか覚えてないから、この本に書かれた事のどこまでが本編にあって、どこからが裏話なのかわからない。これはまた本編を読まないとなあって思ってたら、3日後に改訂版が発売されるんだとか。パランティールで覗いているのか知らないが、おそろしく商売上手だ。2022/10/16
2兵
4
指輪保持者となったイシルドゥル最期の闘いを描いた『あやめ野の凶事』が、個人的にいちばん心に刺さった。イシルドゥルは原作や映画では、弱く、愚かで指輪のせいで堕落した哀れな存在であり、最期も自業自得であるかのようにしか描写されていなかった印象があった。だが、本書で明らかになったのは、指輪の魔力に苦しみながらも、今際のときまで武人としての誇りを捨てなかった、"人間"イシルドゥルの姿だったのだ。他も面白いが、どうしても物語というよりは論考であることを感じさせる。ガンダルフたちイスタリの由来を考察した章もあるが2025/02/13
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