講談社文芸文庫<br> 〈世界史〉の哲学2 中世篇

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講談社文芸文庫
〈世界史〉の哲学2 中世篇

  • 著者名:大澤真幸【著】
  • 価格 ¥2,398(本体¥2,180)
  • 講談社(2022/08発売)
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  • ISBN:9784065288580

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内容説明

近代化は、煎じ詰めれば、西洋化の過程だった。西洋に生まれた制度や文化やアイデアがそのローカリティを払拭し、グローバル・スタンダードになる過程が、近代化であった。ところで、その「西洋」とは何であろうか? いつ西洋ができあがったのだろうか? どうして、西洋だけが、そのような特権的な文明となったのだろうか?/……西洋が形成されたのは、「中世」と呼ばれる期間である。だから、本来の意味での中世は、西洋にしかない.そう断じて過言ではあるまい。本書の主題は、まさにその中世、西洋が形成された時代である。/……われわれは、本書で、中世が、キリストの死なない死体に取り憑かれた時代であったことを示すだろう。中世という時代を探究していると、われわれは、SFやホラー映画で何度となく繰り返されてきた紋切型のシーンを連想せざるをえなくなる。主人公が、宇宙人や怪物と闘い、彼らの身体を徹底的に破壊し、ついには「人間」的な原型をまったくとどめないまでにしてしまう。怪物たちの身体は、小さな断片やスライム状の物体にまでなっている。主人公は、怪物たちを殺害したと思って安心して背を向けるのだが、その途端に、断片化したり、粘液化したりした怪物の身体が再び動き出し、集合して、もともとの「人間」のような姿を取り戻す……。中世におけるキリストの身体──とその代理物──は、この種の身体を思わせる。(「まえがき」より)
本書によって西洋中世史は書き換えられた! 都市はなぜ死体を中心に繁栄したのか。愛を説く宗教がなぜセックスを原罪とするのか。誰もが知っているのに誰も明確には答えられない世界史史上の謎。平易に語られる瞠目の真実が中世史を書き換える!

目次

第1章 フィリオクエをめぐる対立
第2章 信仰の内に孕まれる懐疑
第3章 二本の剣
第4章 謝肉祭と四旬節の喧嘩
第5章 罪から愛へ
第6章 聖霊と都市共同体
第7章 〈死の舞踏〉を誘発する個体
第8章 聖餐のカニバリズム
第9章 教会を出産する傷口
第10章 空虚な玉座に向かう宮廷愛的情熱
第11章 利子という謎
第12章 「物自体」としての聖地

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

エジー@中小企業診断士

13
なぜ西洋なのかを駆動する基本的な謎は普遍性であり特異性と普遍性の交錯の最も顕著な例が資本主義。中世とはキリスト教が全領域に浸透した時代=西洋が始まったとき。東と西のキリスト教。正教とカトリックの相違。中世哲学=スコラ哲学(学校の哲学)、普遍論争、なぜ三位一体のような面倒な教義が必要なのか。アガンベンの神の存在論的パラダイム(聖なる権威)と神の世界統治オイコノミア的パラダイム(俗なる権力)、中世都市と聖なる遺体、利子という謎。中世は「煉獄」を発明することで利子を正当化した。中世の謎はひとつの死体に集約される2025/11/15

amanon

6
前巻以上にスリリングな内容で、一層引き込まれて読み進めることに。ただ、内容が濃密かつ多岐に渡っているので、その内容は一読しただけでは、なかなか把握しがたい。やはり、これは首尾一貫した内容を把握するというより、ミステリーを内包したものとして読むべきということか。個人的にとりわけ驚かされたのは、キリスト教神学はおろか、宗教学とも恐らく大きく違った視点からキリスト教を読み解く試み。これまでキリスト教関係の書物をそれなりに読んできたと自負するが、ここまで多面的かつ斬新な読みは寡聞にして知らない。続巻が楽しみ。2026/04/29

静かな生活

1
REVIEW SCORES 80/1002024/09/08

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