内容説明
秀吉配下の錚々たる武将が弟子となり、ついには「内々の儀は利休に」とまで秀吉に言わしめた千利休。だが、ある出来事を契機に二人の関係に綻びが生じ始める。利休を戦慄させた秀吉の〝侘び〟とは何だったのか?欲望の渦に み込まれた天下人を制御する術はあるのか?革命的な価値創造者の執念と矜持、その切腹の真相に迫る戦国大河ロマン!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
tomo
13
☆☆☆☆ 4.4 古びた茶道具等、形式に堕した「侘び」には未来はないと、新たなものを生み出す道を古田織部に託す利休。その後織部作の歪んだ茶碗を見て、自身の「侘び」を見つけたと嬉しさがつのる利休。係累に害が及ばぬよう少庵を養子に出し、フィナーレに向けてカウントダウンが進む。茶の湯で精神面を支配する権威者となった利休の世界を侵食後、茶の湯に飽きたら次は能の世界へ。権力者秀吉の欲望は止まらない。※妻りきは、おばあさんのはずなのに、ちょっと可愛すぎない!?やっかみかな。2023/02/26
さこちゃん
11
世の静謐のため、晩年を権力者秀吉との戦いに捧げた利休。その頭脳と体力に驚いた。もし利休がいなければ、より多くの戦が各地の歴史に刻まれたことであろう。権力者は、嗜める側近がいなくなった時から破滅へと進む。ただ、そこに時間が掛かると、不幸と悲しみと怨嗟が膨れ上がる。権力者は皆、自分は失敗しないと思っているのでしょう。2022/09/09
coldsurgeon
7
政治を操るフィクサーとなる茶人。千利休の、秀吉と心理戦はすさまじい。茶室という密室の中で、心の中を垣間見せながらの駆け引きは、張りつめた空気感が読む者をおののかせる。一方で、侘茶を完成させ、それおを引き継ぐ者を見出す物語の流れも捨てがたい。形式を真似るだけではかえって本質から遠ざかるのであるから、弟子としては難しいのであろう。その先に、古田織部の織部焼が出てくるので、腑に落ちる。領地を奪い合う時代から、平和の中での繁栄を志す時代を生きた利休を想いながら、ウクライナの地での戦乱を哀しく思う。2022/06/27
晴
4
北野大茶湯から始まる後編。茶の湯が現世(リアル)にも影響を及ぼし始めていることに気づいた秀吉と、茶の湯こそがこの世の静謐に不可欠なものだと信じる利休との溝ができはじめて不穏な空気、秀長の死以降の秀吉の専横政治と利休との決裂、そして秀吉から死を賜る最期まで。特に妻のりきや、息子の少庵に塁が及ばぬように死に支度していくところとか、りきと夫婦の時間を過ごすシーンとか…りきの利休への思慕で泣きそうになりました。りきの存在がこの静かに殺伐としているこの作品の清涼剤になっているなと思いました。2025/11/14
勝也成瀬
3
割とサクサク読めた。ラストはだいたい想像がつく展開だが、ドロドロした秀吉との対立ではなく、何か爽やかな感じさえしてきた。2022/08/21




