内容説明
新たな装いの路面電車システム(LRT=Light Rail Transit)は、都市交通問題の解決、都市の環境保全、中心市街地の活性化等に大きな役割を果たすとして世界中で注目され、整備が進んでいる。しかし、日本ではLRTは期待されながらも整備は進んでいない。本書は、実例を通して路面電車あるいはLRTの良さを知ってもらい、またLRTを活かしたまちづくりの手順、制度、課題を多くの人に知ってもらう目的で書かれたものである。縦書き・4色刷。
目次
第1章 トラムでヨーロッパ地方都市のまち歩き
アンジェ
ストラスブール
ディジョン
トゥール
ボルドー
モンペリエ
サラゴサ
ビルバオ
カールスルーエ
コラム:各国のトラムの新設動向、ドイツのトラム、トラムの乗り方
第2章 暮らしに根付いた日本の地方都市の路面電車
札幌
富山
高岡・射水
福井
堺・大阪
岡山
広島
松山
長崎
コラム:工事が始まった宇都宮ライトレール、日本の路面電車の整備動向
第3章 LRTがもたらすまちの変化
魅力的なまちにするためのLRTの役割
LRTのデザインがもたらす歩行者空間の上質化
歩行空間の改造
人々の意識の変革
コラム:都市において自動車交通はどうあるべきか
第4章 LRTをつくるためには
LRT導入のためのまちの要件
LRT計画の枠組み
軌道をどう敷設するか
日本で導入するための制度
LRT導入に関わる制度と社会的合意形成
コラム:道路空間の公共性に関する市民意識
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
お抹茶
1
LRTと路面電車は同義ではなく,まちづくり基盤の一つとなる都市交通。公共都市空間の中で違和感がないようなデザインを求められるのもLRTの特徴。LRTというとヨーロッパ諸国がよくとりあげられる。日本と違って,運賃による独立採算制ではなく財政補助を行っている点が特徴。単に世界のLRT紹介にとどまらず,その背景になる公共交通の考え方も述べている。2020/12/16
kaz
1
紹介されているヨーロッパのトラムは、街の風景にとけ込んでいて、とてもお洒落。尤も、そういう写真を選んでいるのだろうとは思うが。スペインの充電式のものは、街中に架線が必要でないため、景観等に優しい。松山の路面電車がずいぶん変わったのには驚いた。 2019/07/14