内容説明
時は鎌倉末期。幕府の命数はすでに尽き、乱世到来の情勢下、大志を胸に雌伏を続けた男がひとり――。その名は楠木正成。畿内の流通を掌握した悪党は、倒幕の機熟するに及んで草莽の中から立ち上がり、寡兵を率い強大な六波羅軍に戦いを挑む。日本史上屈指の軍事的天才と称される武将の真の姿を描く、北方「南北朝」の集大成たる渾身の歴史巨篇。
【目次】
第一章 悪党の秋
第二章 風と虹
第三章 前夜
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
49
楠木正成の「悪」の一面を活写していました。その筆致はハードボイルド色が強く感じられます。屈指の天才と称された正成の真実を追い求めたいと思いました。下巻も読みます。2022/07/17
Y2K☮
36
創作要素はある。だが後の世から道徳的バイアスを施されて美化されがちな楠木正成の「悪党」な本性を描く筆致に嘘の匂いはしない。嘘と虚構は同じではない。石原慎太郎「天才」みたいな憑依性すら感じた。保国安身。公のために戦うことが同時に我が身を救うなら動く。それが正解。国や会社に持ち上げられ、使い捨てにされるのは馬鹿げている。民の生活を知りたいと泥にまみれるセレブへの共感とひややかな視線の共存も身に覚えがある。あと偉い人は下の者を戦わせて死なせる前にまず自分が武器を取れという声は、まさに現社会情勢に通ずる。下巻へ。2022/05/24
どぶねずみ
34
楠木正成は悪党か、英雄か。そんな問いが連載中の新聞小説を読んでいる最中に脳内をぐるぐると駆け巡る。そんな疑問を解消できるかと思って選んでみた人物小説。上巻だけではまだ解消されるか不明。幕府が腐っていくから自分で国を作ろうとした。いつの時代だって組織が荒んでいけば、民がもがき苦しみ、誰かが立ち上がろうとする。それがこの時代の楠木正成だったのだろうか。下巻でどんなことを成し遂げたのか、果たしてそれが社会からどんな評価を受けるのか。下巻へ。2023/09/07
はちこう
20
幕末関連本を読むと志士の英雄的存在で語られることが多い楠木正成。そのお名前は知っていましたが、私はあまり鎌倉末期から南北朝の頃の本を読んでこなかったので、なぜ幕末の志士や明治以降の偉人が正成を崇めたのかがぼんやりとしか分かっていませんでした。その辺の背景を知りたいと思い本書を手にしたのですが、まだまだ序盤、上巻は、後醍醐帝と正成が挙兵に至るまでという内容でした。護良親王や悪党と呼ばれる反幕府側の各地の土豪がたくさん登場し、登場人物を覚えるのがちょっと大変でした。2025/11/12
フミ
20
昭和世代の「正成→後醍醐帝の忠臣」という印象で読むと、戸惑いそうな作品でした。あくまで「悪党(武装した商工業者)」が、武士(武装農民)の支配する社会に、どう抗うか~で悩み、伊賀や播磨の悪党の姿を横目に商売を広げ、人脈を作り、自衛の兵を整えているうちに「とある皇族」に親しみを覚え…という流れで、後醍醐天皇は「無能な取り巻きに囲まれながら謀議している」扱いです。血統崇拝的な価値観が薄い、北方先生のオリジナル性が強い印象ですが「人物の会話や思考から世界が見えてくる」と、感情移入度が高く、面白い作品かと思います。2022/09/28
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