内容説明
カリスマ教祖がサリン撒布計画を実行に移す――。一方、彼らと手を組んだ警部補は権力者たちの暗闘に搦めとられていく。男たちが辿り着くのは天国か地獄か、それとも……。著者最大巨編、驚天動地の完結。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
230
いよいよ"その日"が迫りくる中、「なんとかしろ!」→「無理です」がひたすらループ。各人の頭の中では策謀が渦巻き、幽鬼と見間違うかの如くやつれ果てていく様子はたしかに克明で切迫感がある。けれども行動レベルでは何も動いていない場面も多く、アレ?となりもする。ただそれも、リアルな思考停止の描写かと思い返す。児玉が蝙蝠のように権力者の間を回遊していくのは面白く、唯一展開に起伏が出る。もう少し凝縮するところはして、かわりにもっと先まで描いて欲しかった。ちょっと結末が唐突すぎて最後だけ消化不良。2023/06/13
r2d2
7
実際こんなふうに事件が進んでいたんじゃないかと思うくらいリアルだった。登場人物のその後が気になる。2023/05/21
hiyu
4
読むのが辛くなって少しずつ、少しずつ何とか読み終わった。ラストはこういう感じか。その後がどうなったかが気にはなるが。2024/01/03
kos_sori
4
最初はうんざりするような出来事ばかりで辟易していたが、面白かった。途中から児玉、幸田コンビを応援していた。ハッピーエンドはあまりないとは思っていたけど、皆さん残念でしたね…。/お手軽に助かりたいと思うのは罪なのか?金、権力、復讐に執着するのは悪か?色々な物を捨ててまでそういうものが欲しいという気持ちは分からないけど。/某宗教団体の内情は実際にこんな感じだったんだろうか。組織ってのは怖いよ。2023/09/02
コブタ
4
オウム事件の裏にはこんなことが有ったのではと思わせる。教団幹部同士の争いや、常軌を逸した教祖の言動を忠実に実行したサリン事件等々。フィクションとはいえ政治家と公安警察内部での権力争いも。770ページ堪能しました。 2023/07/07