内容説明
〈真言の法〉のカリスマ教祖と侍従長。組織に罪を背負わされ失脚した警部補。暗躍する権力者――。欲望と狂気に憑かれた男たちの思惑が業火の中で絡み合う。著者畢竟の大作にして圧巻の群像サスペンス。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
253
オウムの事件をモチーフにした小説は数多あり、凡作も挙げればキリがないほどだろう。著者のキャリアの中でも転換期に発表された作品であり、初期の、個の人物の闇を描くスタイルからスケールアップし、現実の事件を組み込んだりと、実験的で意欲的ではありながらも、まだ毒の分量が多めで、引き込まれてしまう引力が健在。序盤の、一つの出来事を視点人物の数だけ繰り返し描く進行はやや退屈させられたが、幸田と児玉が結びついたあたりからは、途中で読むのを止めることが困難に。慎平が今後どういう役割を担っていくのかも気になるところ。2023/06/08
hiyu
6
結構な量だった。モチーフにしているのはあまりにも有名な事件。下巻でどう展開していくのか想像はつかないが、とにかく引き込まれる。2023/12/28
terukravitz
5
★☆☆☆☆2022/04/18
コブタ
4
カリスマ教祖の下に集う信者たち、その信者からの莫大な献金を目当に暗躍する教団No.2と左遷された公安警察官、政治家等々。780ページ、投げ出しそうになったが、幸田と児玉の絡みから面白くなりページを捲る手が止まらなくなった。少々休憩して下巻へ。2023/06/23
r2d2
4
オウム真理教をモチーフにしているのだろう。下巻が楽しみ。2023/05/14