小説 牡丹灯籠

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小説 牡丹灯籠

  • 著者名:大橋崇行/柳家喬太郎
  • 価格 ¥1,430(本体¥1,300)
  • 二見書房(2022/05発売)
  • ポイント 13pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784576201702

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内容説明

貴方がまたいらしてくださらなければ、私はきっと、死んでしまいますよ

怪談と仇討ちの物語を捕物帖として再構築するシリーズ第2弾!

浪人の荻原新三郎は、旗本飯島平左衛門の娘、お露と知り合って惹かれあうが、会えない日々が続き、ついには、お露は恋焦がれ死に、女中のお米も亡くなってしまった。それから夜ごと、新三郎のもとに通ってくるお米とお露の幽霊。経と如来像、札を授けられた新三郎はお露から身を守れたかのように見えたが、下働きの伴蔵の手引きにより、新三郎はお露に取り殺されてしまう。しかし、そこには複雑な因縁と企てがあったのだ――

こいつらの誰からもつきまとわれたくない/柳家喬太郎

第1弾の「真景累ヶ淵」に続く三遊亭円朝の代表的作品でもある「牡丹灯籠」を近代文学研究家で作家の大橋崇行が小説化。「お岩の四谷怪談」「お菊の皿屋敷」「お露の牡丹灯籠」と三大怪談の一つに数えられる本作であるが、実は怪談として語られているのは、前半の一部を切り抜いたもの。本来の姿は愛憎と、主君の仇討ちにいたる複雑に入り組む物語である。本書では「牡丹灯籠」全体を余すことなく小説化している。実力派落語家の柳家喬太郎が監修をする。

松浦シオリ・装画

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ちょろこ

143
カラン、コロン…の謎を絡めた怪談落語ミステリの一冊。第一弾と同じく、あぁ、こういう話だったのね、と楽しめた。貴方がまたいらしてくださらなければ、私はきっと、死んでしまいますよ …なんて、恋に身を焦がした女性が夜な夜な化けてでるとしか…なだけにこの奥の奥へといざなう物語は改めて知識も定着し、これまた耳で聴いてみたい世界。しかもこの下駄の音をしっかりミステリのポイントとして仕立て上げているのも良かった。謎解きしながら炙り出される真相と因縁。やっぱり怖いのは人間の欲、黒一色の心。しかも女ほど濃い気がする。2021/01/30

タイ子

91
「牡丹灯篭」と言えばカラン、コロンと下駄の歯音を鳴らして愛しい人の元に夜な夜な逢いに来る幽霊。旗本の娘お露に憑りつかれた新三郎はついに身をやつして死んでしまう、という話でした。それはほんのさわりであり、まだまだこの話の裏側には人間の欲と情が絡む複雑怪奇な物語があったのです。足のない幽霊に下駄の歯音がするのか?死んだ新三郎の隣に寄り添っていた女の骸骨は本当にお露なのか?その謎を解くのが北町奉行のお奉行様と同心。2人の過去を探っていくうち、因縁を持つ者同士の関わりが見えてくる。こんな面白い落語噺だったんだ。2020/12/17

NAO

80
【日本の夏は怪談 和】【月イチテーマ 時代物】怪奇落語の名作を、専門家の監修のもとに小説としたもの。幽霊となったお露が長屋の大家である美男子萩原新三郎にとり憑いて殺した事件と、お露の父親飯島平左衛門が妾の情夫に殺された事件の裏に隠された真相を、隠密回り同心の高遠伊助が解き明かす。足がない幽霊が、カランコロンと下駄を鳴らしてやって来る。なんとも矛盾した話だが、カランコロンと下駄が鳴るからこそ、怖さが倍増する。もっとも、私などは、カランコロンと下駄が鳴るというと、鬼太郎を思い浮かべてしまうのだが。2021/07/02

真理そら

73
隠密同心・伊助と悪ノリ奉行・依田豊前守のバディ物、悲恋モノ的怪談、仇討モノ、誠実に努力して忠義を尽くした人が報われる教訓っぽい話、そして魅力的な悪女モノと盛り沢山で楽しく読んだ。なぜお露は幽霊なのにカランコロンと下駄の音を鳴らせたのかという謎が合理的に説明されているので怪談としてのぞわぞわする怖さは味わえない。このシリーズは楽しく読めそうなので他の作品も読もう。2021/06/26

ポチ

59
お露さんと新三郎の報われない恋の話しだと思っていたが、仇討ちやその他色々とミステリー盛り沢山の作品だったのですね。面白かったが、奥山さんの『累ヶ淵』の方が自分は好みです。2021/01/09

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