内容説明
安城民雄は、駐在として谷中へと還ってきた。心の傷は未だ癒えてはいない。だが清二が愛した町で力を尽くした。ある日、立てこもり事件が発生し、民雄はたったひとりで現場に乗り込んだのだが――。そして、安城和也もまた、祖父、父と同じ道を選んだ。警視庁捜査四課の一員として組織暴力と対峙する彼は、密命を帯びていた。ミステリ史にその名を刻む警察小説、堂々たる完結篇。(解説・吉野仁)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ehirano1
194
三代の人生を通して、「正義とは何か」「組織とは何か」を問い続けた圧巻の内容に感服。警官の血が正義を求め続けた物語は、「正義は組織の外側にしか存在しない」「組織は真実を守らない」に到着。一方で、それでも人が正義を求めるのは「血」であり「呪い」でもある、とそんな気持ちになりました。2026/05/05
Richard Thornburg
167
感想:★★★★★ 祖父→父→息子へと3代にわたる警察官の物語。 時事的な事件や世風に関してはリアルタイムで体験している世代なので文字面だけでなく実感できました。 父のできなかったことを息子が成し遂げるシーンはなかなか印象的。 『何が正義で何が悪』かってのが一つのテーマになっていると思うのですが、早瀬(父)と対決するシーンでそれが顕著になりますね。 『悪』を裁くための『悪』は必要悪なのか?ってのもあるんですが、規模(あるいはスケール)のデカい組織犯罪を暴くためには『必要悪』も正義なんだなぁと。 2022/02/28
遥かなる想い
161
下巻では、父と同じ天王寺駐在所に勤務する民雄、そして その息子 和也の日々を中心に、過去の事件の謎を追う。 それにしても 親子三代にわたる物語は 深くて重い。過去から 現代に繋がる血の 宿命のようなものが 厳粛に伝わる…そんな物語だった。2020/12/16
ふじさん
127
安城民雄は、天王寺駐在所の駐在として、勤務することになり、父の清二の愛した町のために力を尽くす。立てこもり事件が発生するが、清二の身を賭した行為により、人質は無事保護され、犯人は逮捕される。息子の和也は、祖父、父と同じ道を選び、警視庁捜査四課の一員として組織暴力と対峙する彼は、密命を帯びた任務が与えられる。祖父、父親が追い続けた「男娼殺害事件」と「国鉄職員殺害事件」と清二の死の謎が和也の調べで次第に明らかになる。親子三代の警察官一家を描いた大河ミステリーであると同時に、新たな警察小説の可能性を開く傑作だ。2022/11/02
再び読書
113
エンディングは意外な結末を迎えます。警察組織の冷徹な部分や、心の痛みが最後には印象となった作品でした。しかしながら、中盤より読み進めたくなるストーリーの展開はやはり、このミスで選出される事はある。2012/07/05
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