内容説明
代々引き継がれてきた神聖な武器“宝具”を受け継ぐ者が皇帝に即位する「龍貴国」。その宝具を皇太子が継承する成人の儀で、若き宝具師・硝飛は宝具を偽物だと指摘した。儀式は中断。だが、証拠を示せなかった硝飛は投獄された。一方、宝具を管理していた名家の公子である林迅もまた、一族を守るために宝具すり替えの犯人を探し出す必要があった。硝飛は幼馴染みである林迅の手引きで脱獄し、二人で本物の宝具の行方を追う。すると国家を揺るがす陰謀と、意外な人物の思惑に辿りついた。自由奔放な庶民の硝飛、カタブツ公子の林迅。家柄も性格も正反対な凸凹コンビが歴史に埋もれた真実を暴く! 最後に玉座に座るのは誰だ?
目次
序章 魂縛
第一章 虚しい再会
第二章 囚われの宝具師
第三章 畔南の少女
第四章 触れ合う心
第五章 忘れられた後宮
第六章 それぞれの宝具
第七章 暴かれる真実
終章 ふさわしいもの
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
27
代々引き継がれる神聖な「宝具」を継ぐ者が皇帝に即位する龍貴国。ところが皇太子が宝具を継承する成人の儀で、若き宝具師・硝飛が宝具を偽物だと指摘してしまうファンタジー。偽物の証拠を示せず儀式を妨害したとして投獄された硝飛が、疎遠になっていた幼馴染・林迅の手引きで脱獄し、二人で宝具とすり替えた犯人を探す旅に出る展開で、浮かび上がるもうひとつの後宮・華郭島の存在と、そこから明らかになってゆく国家を揺るがす陰謀と意外な人物の思惑があって、宝具がすり替えられた真相とそれを知った彼らの選択がなかなか印象的な物語でした。2022/03/23
RIN
20
純粋に娯楽作品として楽しめる中華ファンタジー。もしこの本に十二国記級の重厚さを期待するなら、それは間違ってますよと諭すけれど、軽やかな文章と心踊る冒険と少しのミステリが楽しめれば充分だと言うのなら、個人的にはお薦めしたい作品。架空の国「龍貴国」の王位継承問題に巻き込まれた宝具師・硝飛と、その幼馴染みで今は名家の公子となった林迅。脱獄から始まる彼らの旅は、やがて国家を揺るがす陰謀と予想外の真実に辿り着く。逃亡者らしからぬ緊張感の無さや突っ込み所満載な緩さはご愛嬌。物語は雨過ぎて天晴る。とかく林迅の愛が重い。2022/05/24
まぁ
7
さらっと始まりましたが事件の真相はなかなか重いしグロいです。みんな自分の魂が籠った宝具を持つ世界で、その中でも刀鍛冶的な職に就く硝飛さんが幼馴染の林迅さんとすり替えられた宝具の謎を追うバディもので、全体的に久々の再会だけどふたりは仲良し。2023/05/13
withyuko
5
宝具に持ち主の魂を入れてお守りのようにするというのがすごくいい!と思った。皇帝も庶民もみんな成人の儀のときに宝具を最も近しい親族から贈られ、、、、それは持つ人によって武器だったり装飾品だったりって。素敵だと思った。ストーリーも主人公、硝飛と林迅の友情がさわやかな感じで、宮廷の闇なんかも絡んで続きもぜひ読みたい2023/01/19
bookshelf_yt07
4
こちらをすでにアップしていると思ったら、2を先にあげていたことに気付かず😭 こちらは幼なじみだった林迅と宝術師・硝飛の再会と林迅の出自にまつわる話。宮廷を揺るがす事態と、追われる二人に降りかかる謎にドキドキした。2023/06/22