内容説明
ポール卿の周りでは、不可解な事件がいくつも起こっていたことがわかる。前妻の事故死、看護師の自殺、家政婦の溺死……。ふたたび捜査線上に浮かびあがったこれらの事件は、今回の事件とどのようなつながりがあるのか? 名門ベロウン家の複雑な人間関係の糸を解きほぐし、ダルグリッシュ警視長が導き出した推理とは。緻密な構成と重厚な筆致で人間心理を巧みに描いた、英国を代表する巨匠の渾身の一冊。解説/千街晶之
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Kircheis
310
★★☆☆☆ 情景や人物の説明が長く、読むのがしんどかった。 でも犯人が確定してからの何が起こるか分からないドキドキ感は良かったと思う。 ケイトがシリーズ初登場でいきなりこんな業を背負ってしまうのはいたたまれない。やはりシリーズ作品は読む順番大事だな。順番に読んでたらかなり感想変わっただろう。2026/04/01
くたくた
66
下巻に入ってもダルグリッシュはスーパーヒーローではない。むしろ普通の人であるが、矯めにも耐える柔軟で強靭な精神性に心ひかれる。事件の真相にあまり意外性はないが、被害者のベロウン卿が、悩める普通の人間であったことに安堵を覚える。犯人が推定されてからの急な展開の方がむしろ意外だ。自らを狂気に追い詰めていく犯人の描写は空恐ろしい。ただひとつ思ったのは、ベロウン卿が愛人に安らぎを求めつつ、偶然出会った女性にも憩っていたこと。これはやはり不実ではないのか。彼に愛を捧げた女性を痛ましく思った。2022/03/09
雪月花
51
ドラマより本書の方が断然面白かった。犯人が捜査線上に上がってくるのは下巻の後半に入ってからだが、様々な人間関係の愛憎や主従関係が絡んで、だんだん嘘が暴かれていく展開がうまい。そしてクライマックスは犯人を追う側の警部ケイトの祖母の家に押し入った犯人とケイトの問答で、緊迫感の中、必然的に事件の真実が明らかになる。翻訳もとても上手くて読みやすかった。【英国推理作家協会出版の史上最高の推理小説100冊の記念すべき1冊目】2023/03/17
まふ
42
下巻に入りダルグリッシュ以下の警視庁チームは徐々に犯人像を絞り込んでゆく。途中特殊保安部の捜査も入り、MI5との三つ巴のル・カレのスマイリー的世界が展開するか、と期待をもったがそうはならず、最後は犯人のあがきの緊迫場面があるものの、犯人は常識的な証拠によって特定され、一巻の終わりとなった。これだけのさして複雑ではない物語を描くには(ぜい肉とは言わないが)少しもってまわったな叙述が多く(「重厚長大作家」と称されているそうだ)他作品を読みたいか、と考えてしまったりした。G1000 、推理100。2022/09/24
本木英朗
27
ポール卿の周りでは、不可解な事件がいくつも起こっていたことが分かる。前妻の事故死、看護師の自殺、家政婦の溺死……。再び捜査線上に浮かび上がったこれらの事件は、今回の事件とどのようなつながりがあるのか?という下巻である。「緻密な構成と重厚な筆致で人間心理を巧みに描いた」作品だったねえ。さすがはダルグリッシュ警視長、そして作者である。他の作品もまた新訳で読みたいなあ、うん。……とりあえず以上です。2022/06/06
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